冨永昌敬、宮崎大祐ら5人の監督が紡ぐ5つのストーリー 『MADE IN YAMATO』5月28日公開

 映画『MADE IN YAMATO』が5月28日より新宿K'Cinema、横浜シネマリンほかにて公開されることが決定。あわせてメインビジュアルと場面写真が公開された。

 神奈川県大和市。新幹線が走り東名高速が通り厚木基地に離着陸するジェット機が低空飛行する、どこでもなく、どこにでもつながっている街。そんな大和の地が5つの物語を作り上げた。YAMATOを呼吸した5人の監督たちは、いったいどんな物語をそこに何を見たのか、あるいは見なかったのか。

 本作を企画したのは、大和市育ちの宮崎大祐は。2016年には地元を舞台にした『大和(カリフォルニア)』を製作・監督した。「大和市では毎年春にYAMATO FILM FESTIVAL、そして夏にこども映画教室を開催していて、作品選定や審査員、あるいは講師として参加しているのですが、ここ数年はコロナ禍によって開催が出来ずにいました。そんな中、代わりになる映画事業はないだろうかとイベント観光協会の方々とお話ししている中で出てきたアイデアです」と、企画のきっかけを語る。

 そのほか、『小さな声で囁いて』(2019年)の山本英、『素敵なダイナマイトスキャンダル』(2018年)の冨永昌敬、『みちていく』(2014年)の竹内里紗、『わたしたちの家』(2017年)の清原惟が本作に集結した。

 山本の監督作『あの日、この日、その日』では、市役所で働くユキが退職する太田さんのために職員たちのビデオレターを撮っている。ある日の休日、ユキは友人の山崎とピクニックに出かける。何でもない特別な日を見つめる物語となっている。

 冨永の監督作『四つ目の眼』では、主人公の麻子が別居している父親にある人物を紹介するために、喫茶フロリダへ誘い出す。そこではその3人と彼らを取り巻く人々の過去や想いが錯綜し……。名物喫茶店を舞台に繰り広げられる奇妙な対話劇だ。

 竹内の監督作『まき絵の冒険』では、清掃員のまき絵が街中に貼られている同じステッカーに気付き、写真で収集を始める。一体それは何を意味しているのか。ある夜、中学の同級生に再会し、彼女の連絡先を書いた紙を渡される。まき絵の冒険が始まる。

 宮崎の監督作『エリちゃんとクミちゃんの長く平凡な一日』では、バンド仲間のエリとクミがある日、タイムカプセルに入れるため、大和での生活の動画を撮り始める。その後訪れた恐竜レストランで、右目で見た世界と左目で見た世界の違いを語りはじめるエリ。二人は次第に両目の間の世界へと迷い込んでいく。

 小山の監督作『三月の光』では、高校を卒業したばかりの莉奈が川辺に佇む。同級生の男がやってきて莉奈にしつこく付き纏うのだが、莉奈は相手にする気もない。「海に行きたい」と莉奈は言う。やってきたバイクに乗せてもらった莉奈は海に行けるのだろうか。

 また、5月5日に池袋シネマ・ロサにて先行上映イベントが開催される予定だ。

 それぞれの監督からのコメントは以下の通り。

コメント

山本英

今回はキャスト、スタッフ全員揃っての事前顔合わせが状況的に難しかったので個々でのやりとりを行い撮影当日にやっと「はじめまして」というようなやり方になりました。ですが、その断絶が今回の「私の知らない個々の話をしていく人たち」というテーマに繋がっているように思います。

冨永昌敬

(舞台となった喫茶店に)はじめて足を踏み入れた瞬間、ここをお借りしたいと思いました。膨大な夜景の写真に埋め尽くされた店は悪だくみに熱心な男たちの巣にピッタリで、魔都のコピーをかき集めたかのような幻想的な内装には大いに刺激を受けました。

竹内里紗

元々まき絵は図書館司書の設定でしたが、市立のスポーツセンターが面白い場所だったので、スポーツセンターの清掃員に書きかえることにしました。多くの人が運動をしにやってきては去っていく、通り過ぎていってしまう中で、まき絵だけはこの広大な空間で掃除という運動を繰り返しているという姿が浮かびました。

宮崎大祐

今回は人称や時制、ジェンダーを解体する狙いがありました。その結果、未来に向けているのか過去に向けているのか現在に向けているのかわからない無時間的なタイム・マシンとしてこの映画が立ち上がってきて欲しいと。

清原惟

今回、脚本を事前につくらず撮影を行いました。俳優のふたりと話したり、大和を散歩しているなかで積み重ねた時間やアイディアを元に、現場にはいってから実際の環境に反応しつつ、即興的につくっていくという試みをしてみたかったからです。

『エリちゃんとクミちゃんの長く平凡な一日』
『四つ目の眼』
『まき絵の冒険』
『あの日、この日、その日』
『三月の光』
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『エリちゃんとクミちゃんの長く平凡な一日』
『四つ目の眼』
『まき絵の冒険』
『あの日、この日、その日』
『三月の光』
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■公開情報
『MADE IN YAMATO』
5月28日(土)新宿K's Cinema、横浜シネマリンほか全国順次公開

『あの日、この日、その日』
監督・編集:山本英
出演:村上由規乃、山崎陽平、小川幹郎

『四つ目の眼』
監督・脚本・編集:冨永昌敬
出演:尾本貴史、福津健創、円井わん

『まき絵の冒険』
監督・脚本・編集:竹内里紗
出演:兵藤公美、堀夏子、加賀田玲、石山優太

『エリちゃんとクミちゃんの長く平凡な一日』
監督・脚本・編集:宮崎大祐
出演:柳英里紗、空美、本庄司、小川あん

『三月の光』
監督・構成・編集:清原惟
出演:小山薫子、石倉来輝、田中真琴、南辻史人ほか

企画:DEEP END PICTURES
製作:大和市イベント観光協会
配給:boid/Voice Of Ghost
2021/16:9/5.1ch./120分
(c)踊りたい監督たちの会
公式Twitter:https://twitter.com/boid_bakuon

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