『カムカムエヴリバディ』気になる3つの謎 上白石萌音の再登場、城田優の“出演”も?
謎その3 ビリーの役割とは
小学生時代のひなたの前に現れ、その美しいビジュアルで彼女を魅了。これは青春時代のひなたにも関わってくるのでは?という視聴者の予想を軽やかに裏切って、最後の回転焼きも買えないまま空港に向かったアメリカ人の少年、ビリー(幸本澄樹)。
出会った直後は彼と話がしたいとラジオで英語の勉強を始めたひなただったが、すぐに挫折。彼女の興味はテレビ時代劇へと傾いていく。
では、ビリーという存在は『カムカムエヴリバディ』において一体何だったのか。
通常のドラマであればヒロインの少女時代を彩るエピソードのひとつとして片づけられることもあろうが、そこは藤本有紀の脚本。クリーニング店に貼られたカルト的時代劇映画『妖術七変化!隠れ里の決闘』が錠一郎のコンテスト出場を後押しし、後にひなたと五十嵐(本郷奏多)の関係に変化をもたらして、さらに初代・桃山剣之介と二代目との確執、大部屋俳優の伴虚無蔵(松重豊)の胸に秘めた思いまでさまざまな事象に繋がっていることを振り返れば、ビリーの存在もただのヒロインの少女時代の思い出とは思えない。
ここからは完全に私の想像だが、ビリーは安子の関係者で、大人になってまた「大月」に現れ、何かを語る役割を担うような気もする。もっと言うと、成長したビリーを演じるのは本作のナレーションを担当している城田優。血縁がある関係者から話を聞いたビリーは安子、るい、ひなたの三世代の記録を記していて、ナレーションはそのページをめくりながら大人ビリーが語っている……そんなことはないだろうか。
などと勝手な想像を巡らせてしまうくらい『カムカムエヴリバディ』にはさまざまな宿題がその答えが書き込まれないまま置かれている。そんな中、第18週の予告では、算太が「大月」で回転焼きを焼く姪の姿を見て「……るい」とつぶやく場面も公開された。
岡山や大阪ではラジオや「たちばな」の再興資金と“奪う”ことばかりだった彼が、子どもたちに夢とプレゼントを“与える”サンタ黒須(=サンタクロース)としてどう生きてきたのか、安子は今どうしているのか、そんな宿題の答え合わせも次第にされていきそうだ。
安子は何らかの手段でずっとるいを見守ってきた……そう予想しているのだが、さあ、どう来るか。
■放送情報
NHK連続テレビ小説『カムカムエヴリバディ』
総合:午前8:00〜8:15、(再放送)12:45〜13:00
BSプレミアム・BS4K:7:30〜7:45、(再放送)11:00 〜11:15
※土曜は1週間を振り返り
出演:上白石萌音、深津絵里、川栄李奈ほか
脚本:藤本有紀
制作統括:堀之内礼二郎、櫻井賢
音楽:金子隆博
主題歌:AI「アルデバラン」
プロデューサー:葛西勇也・橋本果奈
演出:安達もじり、橋爪紳一朗、松岡一史、深川貴志、松岡一史、二見大輔、泉並敬眞ほか
写真提供=NHK