『カムカムエヴリバディ』気になる3つの謎 上白石萌音の再登場、城田優の“出演”も?
とうとうあの男が帰ってきた! 再登場時の初クレジットは“謎の振付師”。じつはひなた(川栄李奈)の祖母、安子(上白石萌音)の兄、橘算太(濱田岳)その人である。
なにやら洒落た服装で条映映画村に現れ、時代劇スター、モモケンこと二代目・桃山剣之介(尾上菊之助)のCM撮影に口を出す老いた算太。どうやら今は振付師、サンタ黒須と名乗っているらしい。
NHK連続テレビ小説『カムカムエヴリバディ』では彼の再登場により、これまで保留にされていたさまざまな謎の答え合わせが始まろうとしている。ここではそれらの宿題を整理しながら、今後の展開も予想してみたい。
謎その1 安子は一体どうしているのか
現時点で残されたもっとも大きな謎はこれである。極度の疲労が起因の事故で娘、るいの額に傷をつけてしまい、雉真の家に戻った安子。実家の和菓子店「たちばな」を再興しようとするが、その資金を兄の算太が持ち逃げ。さらに、共同で英語の教則本を作成していたロバート(村雨辰剛)と部屋で一緒にいるところを目撃したるいから「I hate you」との言葉を投げかけられ絶望した安子は、ロバートからのプロポーズを受けてアメリカに渡ることを承諾。
さあ、どうするどうなる安子!と視聴者が固唾を飲んだテンションをサクっと交わし、物語は一気に「るい編」へ。18歳になったるい(深津絵里)から安子のその後が語られることもなく、彼女がどうしているのか、その生死さえ作中では一切描かれていない。
しかし、あれだけるいのことを第一に考え、愛し、身を賭して守ってきた安子がいくら精神的なダメージを受けたからといって、なによりも大切な娘を置いてアメリカに渡るだろうか。
謎その2 錠一郎は働いていないのか
華やかなデビューを目前に、トランペットを吹けなくなってしまった錠一郎(オダギリジョー)。一時は精神的にボロボロになってやさぐれたが、海の中でるいに抱きしめられて2人は大阪から京都へ。結婚後、るいは母、安子が作っていたおはぎのあんこの作り方と味とを思い出し、自宅で回転焼きの店「大月」を開く。
その後、20年の時が流れる中で、錠一郎と音楽とが明確に結びついたシーンはふたつ。ひとつは草野球を眺めながら彼が五線譜に音符を書いた場面、もうひとつは昭和のヒット曲「およげたいやきくん」を聴き「いい曲やなあ」と、ふと漏らした場面。その2シーンのみである。
ここで気になるのが「錠一郎は働いていないのか」問題。画面に映る部分だけを見ると、一家の家計を支えているのはるいが焼く回転焼きの売り上げだが、果たして家族4人、それだけで生活できるものか。
1984年時点で「大月」の回転焼きは1個100円。1日に平均100個売れたとして、月に27日の稼働だとしても1カ月の売り上げは27万円。そこから材料費と家賃、光熱費等の経費を引いて他の生活費や教育費のすべてを賄えるのか疑問が残る(高校卒業後、ひなたは条映映画村に就職)。
となると、視聴者に提示されていないだけで、じつは錠一郎が何かしらの収入を得ている説も捨てきれない。仕事をしているとしたら、スーツ着用で定時出社の必要もなく、自宅かその近辺で成立するものだろうが、だとしたらその内容は……?