『ゴシップ』が描くマッチングアプリの“光と闇” 黒木華演じる凛々子の変化にも注目

『ゴシップ』が描くマッチングアプリの光と闇

「たとえ100人が黒だと言っても、白だと言い張るたった1人を信じて疑わない。本来、信じるとはそういうこと」

 『ゴシップ#彼女が知りたい本当の○○』(フジテレビ系)第7話。今回も、瀬古凛々子(黒木華)が取材対象者の心を救った。

 題材となったのは、マッチングアプリの光と影。以前よりも、気軽にアプリを利用する人が増えてきてはいるものの、誤った使い方をすると危険な目に遭うこともある。その被害者となったのが、占いができる猫“たまこ”の飼い主・武藤梢(川添野愛)だ。

 SNSで幸せな友人の姿を見て、焦りを感じた経験がある人もいるだろう。写真に写っている姿は、その人のほんの一部分にすぎない。それなのに、自分だけが置いて行かれているような気分になったり。

 梢がマッチングアプリを始めたのも、結婚している友人たちに追いつくためだった。となると、「将来を真剣に考えられる相手を探しています」と書いていた“Kuraさん”とマッチングするのは必然だったのだろう。この人ならば、すぐに結婚を考えてくれるのでは? という安易な考えもあったのかもしれない。

 地味だった梢が、Kuraさんに出会って華やかになっていく。これは、マッチングアプリの“光”の部分だろうか。やりとりを重ねたあとだから、相手の人となりも分かっている。さらに、最初からお互いを恋愛対象として見ているため(友人探しで入会した人もいるかもしれないが)、恋に落ちるスピードが普通の出会いよりも早いのかもしれない。

 とんとん拍子で進んでいたKuraさんとの恋。しかし、「長期の出張に行くことになった。その間、大事なこの子を預かってほしい」と“たまこ”を残して、彼は消えてしまうのだ。この話を聞いたら、誰もが騙されていると思うだろう。猫を預けて、逃げたのだと。

 友人にいくら忠告されても、梢はKuraさんのことを信じ続けた。だから、「カンフルNEWS」で“たまこ”の記事を広く発信してほしいと思ったのだ。そしたら、彼が見つけてくれるのではないか……と。

 だが、結局Kuraさんは既婚者だった。娘が猫アレルギーを発症したため、“たまこ”の貰い手を探していたのだ。猫好きと紹介文に書いていた梢は、押し付けるには格好の相手だったのだろう。

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