アカデミー賞7部門ノミネート『ベルファスト』予告編 過酷な現実に立ち向かう家族の姿が

 3月25日よりTOHOシネマズ シャンテ、渋谷シネクイントほかにて公開される映画『ベルファスト』の予告編と本ビジュアルが公開された。

 本作は、俳優・監督・演出家として映画や舞台の最前線で活躍し続けるケネス・ブラナーが、自身の幼少期を投影した自伝的作品。北アイルランド ベルファスト出身のブラナー自身が監督・製作・脚本を担当した。第46回トロント国際映画祭にて、最高賞にあたる観客賞を受賞、アカデミー賞前哨戦と言われる第27回放送映画批評界協会賞では最多11部門ノミネート、第79回ゴールデングローブ賞では脚本賞を受賞。また、第94回アカデミー賞では、作品賞、監督賞、助演女優賞、助演男優賞、脚本賞、主題歌賞、音響賞の7部門でノミネートを果たした。

 ベルファストで生まれ育ったバディ(ジュード・ヒル)は家族と友達に囲まれ、映画や音楽を楽しみ、充実した毎日を過ごす9歳の少年。笑顔にあふれ、たくさんの愛に包まれる日常は彼にとって完璧な世界だった。しかし、1969年8月15日、バディの穏やかな世界は突然の暴動により悪夢へと変わってしまう。プロテスタントの武装集団が、街のカトリック住民への攻撃を始めたのだ。住民すべてが顔なじみで、まるで一つの家族のようだったベルファストは、この日を境に分断されていく。暴力と隣り合わせの日々のなか、バディと家族たちは故郷を離れるか否かの決断に迫られる――。

映画『ベルファスト』予告編

 公開された予告編の冒頭では、牧歌的で愛に溢れ、平和な時間が流れるベルファストの街から描かれるが、次の瞬間、突如暴徒が押し寄せ街の様子が一変。不穏な空気が蔓延し、怯える人々の姿が描かれている。しかし一方で、過酷な現実に立ち向かい、笑顔とユーモアを忘れずに未来へと向かう家族の姿も描かれており、抗うことのできない時代の変化に葛藤しながらも、前を向く勇気を表す映像に仕上がっている。

 自身の幼少期を投影し、自伝的作品として本作を描いたブラナーは、「その時の光景は、まさに私が記憶していたまま描かれている。あの午後、スローモーションのように世界がひっくり返る瞬間を見た。その瞬間から、世界は永遠に変わってしまったんだ」と当時を振り返るも、「過激さは違えども、世界中の人が同じような転換期を経験しているはずだと思ったんだ」と明かしており、コロナ禍の中、世界に変革がもたらされているこの時代にこそ、届けるべき物語であることを語っている。実際、50年もの間本作の製作に着手できなかった中で、2020年に起きたパンデミックの最初のロックダウンが始まった頃に脚本を書き始めたそう。

 あわせて公開されたビジュアルには、「明日に向かって笑え!」というコピーとともに、躍動感溢れるバディの姿が写し出されている。

■公開情報
『ベルファスト』
3月25日(金)TOHOシネマズ シャンテ、渋谷シネクイントほか全国公開
製作・監督・脚本:ケネス・ブラナー
出演:カトリーナ・バルフ、ジュディ・デンチ、ジェイミー・ドーナン、キアラン・ハインズ、ジュード・ヒル
配給:パルコ ユニバーサル映画
2021年/イギリス/ビスタサイズ/98分/モノクロ・カラー/英語/5.1ch/原題:Belfast
(c)2021 Focus Features, LLC.

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