山田裕貴、志村けんさん役に感じるプレッシャー 撮影初日に福田雄一監督から「顔怖いよ」

山田裕貴、志村けんさんを演じるプレッシャー

 12月27日21時よりフジテレビ系で放送される、志村けんさんの半生を描いたドラマ『志村けんとドリフの大爆笑物語』で主演を務める山田裕貴からコメントが届いた。

 フジテレビ系ドラマ初主演となる山田が志村さん役を務め、福田雄一が脚本・演出を担当する本作。いかりや長介さん役を遠藤憲一、加藤茶役を勝地涼、高木ブー役を加治将樹、仲本工事役を松本岳、荒井注さん役を金田明夫が務める。そのほか、渡辺いっけいと宮崎美子が志村けんさんの両親役を演じ、ムロツヨシもある役で出演。また、志村さんとは生前、共演の経験のある肥後克広(ダチョウ倶楽部)、親交のあったミッツ・マングローブも出演する。

 ドラマは、志村さんがコメディアンになることを決意し、いかりやさんの元を訪れ、1968年、高校卒業間際にバンドのボーヤ(付き人)として携わるところから始まる。見習い時代の修業の日々、そして1974年にメンバーの一員となってから1990年代までの過酷なスケジュールや、人気の裏に隠された挫折と苦悩、葛藤を描く。また、毎週行われていたネタ会議の様子や、徐々に築かれていく加藤との友情も明らかに。そして今まで表には出ることのなかったメンバーとのやりとりや、いかりやさんとの関係など、今回のドラマ化に当たって、取材して初めてわかったことも描かれる。

 志村けんさん役を演じた山田は、オファーを受けた際に「“本当に僕ですか? 僕で大丈夫ですか?”と、信じられませんでした」と当時の心境を吐露。初日の撮影では、福田監督に「山田君、顔怖いよ」と言われたといい、「多分すごいプレッシャーや、責任感を感じていたのだと思います」と明かしている。

山田裕貴 コメント

今回のオファーを受けて

“本当に僕ですか? 僕で大丈夫ですか?”と、信じられませんでした。俳優人生で志村けんさんを演じるなんてことを考えたこともなかったです。このようなドラマは何回も放送されるものではないですし、楽しみよりもプレッシャーの方が大きかったです。

役を演じる上で気をつけた点や意識した点

気をつけたことと言えば、数え切れないほどあります。まず、どれだけ皆さんの頭の中、心の中にある志村けんさんに近づけるのかということをずっと考えながら演じました。それはしゃべり方や、コントの時のテンポや間など、本当にいろいろなことに気を配りました。放送当日、本当にザ・ドリフターズがよみがえったのではないかと思ってもらえるようなドラマになればいいなと思います。そして、このコロナ禍でつらい思いを抱えている人たちが、放送を見ることで思いっきり笑って吹き飛ばせるような、そんなドラマになればいいなと思いながら、いろんな思いで“志村けんさんを生きること”に気をつけました。

志村けんさんとの共通点

“人に笑ってもらいたい”って思う気持ちは一緒かもしれません。僕もすごくお笑いが大好きだし、小さい頃から周りのみんなが笑ってくれていると安心する性格でした。“あ、僕、ここにいていいんだ”とほっとして。実はコントシーンの撮影の日が誕生日だったんです。すごくうれしくて。それも志村さんからのプレゼントだなと思って演じました。

実際に演じてみて

“山田君、顔怖いよ”と初日福田監督に言われて。多分すごいプレッシャーや、責任感を感じていたのだと思います。でもドラマの中でもそういうシーンがあって。志村さんもその時は一生懸命で、面白いものを作らないと、という感覚でその場にいらしたのかなと思いました。実際には、初日、『ドリフ大爆笑』のオープニングシーンで、1カット目を撮ったらふっと力が抜けて、あの歌とセットにスッと入って行くことができました。本当におこがましいかもしれませんが、途中から“あ、わかる、志村さんの考えていたこと”と思い始めてきて。今回、この役をやらせていただいて、本当によかったです。心残りだったのは、本当に志村さんに似てきたのか、撮影現場でずっと一人で考えていたので、スタッフさんとか監督とあまりコミュニケーションがとれなかったことです。普段はおしゃべりな方なので、もうちょっと会話したかったなあと撮影が終わった今、感じています。でもやっぱり志村さんを全うするには、それは必要なことだったと思います。

今改めて思う志村さんとは

ダチョウ倶楽部の肥後克広さんが出演している、あるコントのシーンの時に、僕がずっとカメラの後ろをウロウロしていたのですが……どういう表情や動き、どんなテンポにしようか、目をバッキバキにしながら。それを見た肥後さんがスタッフさんに“志村さんも(山田さんみたいに)ああやって、カメラの後ろをウロウロしていたから、安心していいんじゃないかな”とメッセージを残してくださったんです。それを聞いて少し安心しました。僕自身、日に日に撮影をするにつれて、家に帰ってからお酒もよく飲むようになりました。こうやってお酒を飲みながら志村さんもお笑いのことを考えていたのかな?とか思えてきて、少しでも志村さんに近づけたんじゃないかと思います。そしてものすごくストイックに、コントに向けて、奥の深いお笑いのために、人のためにやっていたからすごく悩んだこともあるでしょうし、苦しんだこともあったと思います。僕らの仕事もそうですけれど、多くの人を笑わせるって、すごい闘いじゃないですか。僕も志村さんを演じて、ずっと闘い続けようと、人のためにやろうと思いました。人の心を突き動かすために志村さんみたいに頑張れたらいいなと思いました。

勝地涼とのコントシーンの練習について

勝地さんは完璧に研究していて、でも一緒に合わせながら引っ張ってくださいました。一緒に練習していく中で、ほろっとかけてくれる一言が、俳優として、人としてすごく優しくて。コントも勝地さんと何度も合わせて、どうやったら、僕たちらしさと面白さをこのプレッシャーの中で楽しんでできるか模索して作り上げていきました。現場では合間に勝地さんがぼそっとセリフを言いはじめて、僕もそれに続けて言うと、自然とコントの練習になっていって。ごく自然にパスを出してくれていたように見せて、でも実は、考えてやってくださっているのを感じました。本当に勝地さんには助けられました。

コントシーンの感想

コントとアドリブを台本でおこしてそれを覚えて自然にやるという、ひとつ行程としては多い作業には苦しみました。勝地さんが完璧でしたから、僕が合わせるセリフ、叩くタイミング、笑うタイミング、声を出すタイミング、動きのタイミングとか、やりながらずっと考えていたから、目がバッキバキになっていたんでしょうね(笑)。でも風呂屋のコントはすごく楽しかったです。志村さんがいかりやさんにやっていたように、僕が大先輩の遠藤さんに思いっきりやるっていう・・・こんなことないですからね(笑)。コントシーンをやってみて、志村さんが考えていたこととかが、何となくですが、こうだったんだろうなみたいなことが徐々にわかってきたんです。“今のずれたなあ”とか、“もうちょっと早いタイミングで言えばよかったかなあ”とか、“もっと顔動かしておけばよかったなあ”とか、そういう間とタイミングの細かい部分を多分ものすごく気にされていたと思うんです。絶対的に面白いものを作るということに、緻密で繊細な計算がそこにあったからあれだけ面白いし、それをずっと経験してザ・ドリフターズの皆さんでやってきたからこその空気だったり、お笑いになっていると思うんですけれど、僕はそれをこの短い期間で少しでもそこに近づけるようにやらなくてはいけないという重みをすごく感じていました

印象に残っているシーン

いかりやさんとの二人のシーン、『ドリフ大爆笑』のオープニング……全部ですね。コントシーンでは勝地さんとは10ページ以上の台本のコントもあって。それはたぶん、志村さんや加藤さんがアドリブでやられていた部分もそのまま台本として文字起こしされていて、それを僕らはアドリブに見せつつ、お芝居をするという。本当にハードルが高く難しいことでした。両親とのシーンも、今まで演じてきたいろいろな思いをお父さんとお母さんに込めることができて、撮影が最後の日でよかったと思っています。

福田雄一監督の現場

福田監督はコメディーのイメージがあると思いますが、今回のようなヒューマンな作品が合う方なんだろうなと思いました。何回も本番をやらずに必要最低限のカットで、お芝居を埋めていって、スタッフさんの組み立て方もとても素晴らしいと思いました。家族とのシーンも僕の芝居を優先して撮ってくださって。そういうところのチームワークや安心感。現場でも“それ面白い”、“ここまではやらなくていい”とはっきりされていますし、それ以上のことはおっしゃらない。すごく気持ちがよかったです。実際はどういうふうに思っていたのか知りたくなりましたが、その答えは12月27日にあると思います。

視聴者へのメッセージ

かつて50%以上の視聴率。大勢の人がテレビの前に座って見ていた番組で、印象に残るキャラクターやお笑いを生み出してきた伝説のグループ、ザ・ドリフターズ。その伝説のグループの志村けんさん役を僕が今回演じさせてもらいました。ドラマの中でも “笑いたがっている人、笑わせましょうよ” というセリフがあるのですが、そういうドラマになればいいなと思って臨みました。その日一日は志村さんに変わって、皆さんを笑顔にできるようなドラマになっていると信じています。

■放送情報
『志村けんとドリフの大爆笑物語』
フジテレビ系にて、12月27日(月) 21:00~23:03放送
出演:山田裕貴、勝地涼、加治将樹、松本岳、ムロツヨシ、金田明夫、肥後克広(ダチョウ倶楽部)、ミッツ・マングローブ、渡辺いっけい、宮崎美子、遠藤憲一ほか
脚本:福田雄一、佐藤さやか(共同脚本)
演出:福田雄一
編成:安永英樹、浅野翔太郎(フジテレビ)
プロデュース:井澤秀治(イザワオフィス)
松橋真三、鈴木大造(CREDEUS)
制作協力:CREDEUS
企画制作:イザワオフィス
(c)フジテレビ
公式サイト:http://www.fujitv.co.jp/shimuradorifu/
公式Twitter:https://twitter.com/shimuradorifu?s=20

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