『ミラベルと魔法だらけの家』北米興収1位も数字的にはやや渋め? PTA新作は新記録を樹立
ひとつ気になるとすれば、『ミラベルと魔法だらけの家』『ハウス・オブ・グッチ』という今週末を代表する注目作がいずれも予想以上のヒットにならなかったことだ。第2位は公開2週目の『ゴーストバスターズ:アフターライフ』だが、26~28日の3日間のデータを見れば、『ミラベル~』が2700万ドル、『ゴーストバスターズ』が2450万ドルと大きな差はついていない。もちろん後者は大人気シリーズの続編であり単純な比較はできないが、感謝祭という映画業界の稼ぎ時としてはやや渋めの数字だったことは確かだろう。
そのほか第5位は、人気ゲーム『バイオハザード』を原作とするリブート版映画『バイオハザード:ウェルカム・トゥ・ラクーンシティ』で、5日間で880万ドルを記録。全米2803館とタイトルの認知度に比すれば公開規模はやや小さめにも思われるが、今回はミラ・ジョヴォヴィッチ版とは異なり正統派のホラー/スリラー路線。『海底47m』シリーズのヨハネス・ロバーツ監督によるアプローチはどう受け入れられるか。
注目しておきたいのは、ポール・トーマス・アンダーソン監督の最新作『Licorice Pizza(原題)』がニューヨーク&ロサンゼルスの4館にて先行公開され、27~29日の3日間で33.5万ドルを記録したこと。1館平均は8万3800ドルで、ウェス・アンダーソン監督の最新作『フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊』を抜きパンデミック禍での1館平均興収の新記録となった。日本の映画ファンの間でも予告編が話題を呼んだが、本国では観客の反応も上々とのこと。日本公開情報の発表が待たれる。
なお『Licorice Pizza』ほどではないが、『ハウス・オブ・グッチ』は2022年1月14日、『バイオハザード』は1月28日、『ゴーストバスターズ』は2月4日と、いずれも日本公開は来年になる予定。ちなみに北米では公開9週目の『ヴェノム:レット・ゼア・ビー・カーネイジ』は、ようやく今週末、2021年12月3日に日本公開を迎える。
(※本記事の興行収入データは11月29日未明時点の速報値であり、最終確定の数値とはやや誤差が生じる可能性があります)
参照:
■公開情報
『ミラベルと魔法だらけの家』
全国公開中
監督:バイロン・ハワード、ジャレド・ブッシュ
音楽:リン=マニュエル・ミランダ
配給:ウォルト・ディズニー・ジャパン
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