『カムカムエヴリバディ』松村北斗×村上虹郎、リスペクトし合う関係から生まれた名シーン
放送も第3週に入った連続テレビ小説『カムカムエヴリバディ』(NHK総合)。上白石萌音が演じる安子、松村北斗が演じる稔、村上虹郎演じる勇の恋が一体どうなるか、忍び寄る戦争の影は登場人物たちに何をもたらすのか、毎朝目が離せないストーリーが繰り広げられている。
視聴者から安子と稔の恋を応援する声が日増しに増える一方、“恋敵”的ポジションでありながら、「勇ちゃんにも報われてほしい」と勇を応援するコメントも目立つ。戦争という理不尽な理由で夢である甲子園出場を断たれた勇の姿は、コロナ禍によってかけがえのない青春を奪われた学生たちとも重なるものがあった。制作統括の堀之内礼二郎によると、スタッフの中でも「勇に幸せになってほしい」という言葉が多く出ているという。
「勇は安子のことが好きですが、それと同じぐらい兄・稔のことも大好きなんですよね。AIさんの主題歌『アルデバラン』の歌詞<君と君の大切な人が幸せであるために>にも繋がりますが、2人のために本当に頑張るんです。第3週は安子と稔はもちろんですが、勇の奮闘する姿に注目してほしいです」
第13話では、安子への思いを断ち切り稔が縁談を受け入れようとしていることを知った勇が激昂するシーンが描かれた。「あんこのこと傷つけたりしないと信じてたのに」と叫ぶ勇、すべてを諦めたように「お前が慰めてやればいい」と言い放つ稔。兄弟ふたりが感情をぶつけ合うシーンは、村上虹郎と松村北斗の演技力が炸裂したワンシーンであった。このシーンの裏側を堀之内は次のように語る。
「稔の部屋は6畳1間の非常に狭い部屋だったので、撮影は一苦労でした。本気でぶつかり合う必要があるシーンなのですが、自由に動いてもらうとすぐに机などにぶつかってしまう。なので、何度もリハーサルを重ねて動きを決めていきました。幸い、松村さんも村上さんもとてもカンが良く、センスもあるので、すぐに適応してくださいました。あの2人だからこそ生み出せたシーンだと思います」