『アイカ』『海を待ちながら』など上映作品を紹介 「中央アジア今昔映画祭」予告編公開

 12月に全国のミニシアター6館(ユーロスペース、横浜シネマリン、名古屋シネマテーク、出町座、第七藝術劇場、元町映画館)で開催される「中央アジア今昔映画祭」の予告編が公開された。

 2021年12月はソビエト連邦崩壊から30年。本映画祭ではこの節目に、ソ連から独立した5カ国、カザフスタン、キルギス(クルグズスタン)、タジキスタン、ウズベキスタン、トルクメニスタンと、これらの国と深いつながりを持つアフガニスタンを加えた6つの国の新旧9作品を一挙上映する。

 中央アジアはユーラシア大陸中央部の内陸地域で、カザフスタン、キルギス(クルグズスタン)、タジキスタン、ウズベキスタン、トルクメニスタンの5カ国から成る。中国の新疆ウイグル自治区とは不可分の関係にあり、タタルスタンやバシコルスタンといったロシアのムスリム地域、アフガニスタンとも非常に深いつながりを持っている。

 東アジアと西のイスラーム・西欧世界の交点にあった中央アジアは、テュルク系遊牧集団による征服やイスラーム化といった歴史を経て、複雑に文化が交わる場所として長い道のりを歩んできた。20世紀は長くソビエト連邦の支配下にあって社会主義体制をとってきたが、1991年のソ連崩壊と前後して5カ国が独立国となり、以後、国際社会での存在感を増している。

「中央アジア今昔映画祭」予告編

 予告編では、中央アジア各国の魅力に溢れた作品を紹介。中央アジアの巨匠バフティヤル・フドイナザーロフのデビュー作『少年、機関車に乗る』と遺作『海を待ちながら』、カンヌ国際映画祭コンペティション出品のオファーを受けながら、本国トルクメニスタンで上映禁止となった『黄色い雄牛の夜』、希少な中央アジア製ミュージカルコメディ『テュベテイカをかぶった天使』、カンヌ国際映画祭女優賞受賞作『アイカ』の本編シーンが映し出されている。

20211116_centralasia_yellowoushi
20211116_centralasia_waitingforthesea
20211116_centralasia_kojiiincabool
20211116_centralasia_syounennkikansya
20211116_centralasia_kabuttatenshi
previous arrow
next arrow
 
20211116_centralasia_yellowoushi
20211116_centralasia_waitingforthesea
20211116_centralasia_kojiiincabool
20211116_centralasia_syounennkikansya
20211116_centralasia_kabuttatenshi
previous arrow
next arrow

■公開情報
「中央アジア今昔映画祭」
ユーロスペース:12月11日(土)~12月31日(金)
横浜シネマリン:12月11日(土)~12月24日(金)
名古屋シネマテーク:12月
出町座:12月10(金)~12月16(木)
第七藝術劇場:12月18(土)~12月24日(金)
元町映画館:12月4日(土)~12月10日(金)

上映作品:
『テュベテイカをかぶった天使』
監督・脚本:シャケン・アイマノフ
脚本:ヤコフ・ジスキント
出演:アミナ・ウルムザコワ、アリムガズィ・ラインベコフ、ビビグリ・トゥレゲノワ
ソ連/1968年/カザフ語、ロシア語/カラー/88分

『ジャミリャー』
監督:イリーナ・ポプラフスカヤ
脚本:チンギス・アイトマートフ
出演:ナタリヤ・アリンバサロワ、スイメンクル・チョクモロフ
ナレーション:チンギス・アイトマートフ
ソ連/1969年/ロシア語、キルギス語/モノクロ+カラー/78分

『少年、機関車に乗る』
監督・脚本:バフティヤル・フドイナザーロフ
脚本:レオニード・マフカモフ
出演:ティムール・トゥルスノフ、フィルス・サブザリエフ、ナビ・ベクムラドフ
ソ連/1991年/ロシア語、タジク語/モノクロ/100分
作品提供:ユーロスペース

『黄色い雄牛の夜』
監督:ムラド・アリエフ
脚本:ブラート・マンスーロフ、アシルムラド・マミリエフ
出演:マクサト・ポラトフ、アクゴゼル・ヌリィエワ、タチマメド・マメドヴェリエフ
トルクメニスタン、ロシア/1996年/ロシア語、トルクメン語/カラー/121分

『海を待ちながら』
監督:バフティヤル・フドイナザーロフ
脚本:セルゲイ・アシケナージ
出演:エゴール・ベロエフ、アナスタシア・ミクリチナ、デトレフ・ブック
ロシア、ベルギー、フランス、カザフスタン、ドイツ、タジキスタン/2012年/ロシア語/カラー/110分

『40日間の沈黙』
監督・脚本:サオダート・イスマイロワ
脚本:ウルグベク・サディコフ
出演:ルシャナ・サディコワ、バロハド・シャクロワ、サオダート・ラフミノワ
ウズベキスタン、オランダ、ドイツ、フランス/2014年/タジク語、アラビア語/カラー/88分

『彼女の権利』
監督:サオダート・イスマイロワ
ウズベキスタン/2020年/モノクロ+カラー/15分

『アイカ』
監督・脚本:セルゲイ・ドヴォルツェヴォイ
脚本:ゲンナージイ・オストロフスキー
出演:サマル・エスリャモワ、ジィパルグリ・アブディラエワ、セルゲイ・マズル
ロシア、ドイツ、ポーランド、カザフスタン、中国、フランス/2018年/ロシア語、キルギス語/カラー/114分
作品提供:キノフィルムズ

『カーブルの孤児院』
監督・脚本:シャフルバヌ・サダト
出演:クドラトラ・カディリ、セディカ・ラスリ、マシフラ・フェラージ
デンマーク、フランス、ルクセンブルク、アフガニスタン/2019年/ダリー語、ロシア語、ヒンディー語、ウルドゥー語/カラー/90分

主催・配給:トレノバ
公式サイト:https://trenova.jp/centralasia/

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「映画情報」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる