『カムカム』松村北斗に惹かれずにはいられない　演出・安達もじりが切り取る時代の空気

　加えて、ヒロイン・安子にとって大きな意味を持つ稔とのシーンは、個性的な手法で撮影されている。演出の安達もじりは安子と稔が喫茶店で向かい合うシーンや、河原で2人がたたずむシーンなど長回しや固定カメラを用いた撮影について「そこに生きているという感じを切り取ろうとしました。なるべく表情のアップだけじゃなく、その時代の空気や匂いを感じさせる映像にしたかった」と語る。実際に該当するシーンでは、安子と稔の表情だけでなく、環境、佇まい、空気感の全てがじんわりと伝わってきた。さらに安達は今後の展開についてもこう明かしている。

「1、2週においてはこの方法をとりましたが、局面が変わったらまた別の見せ方も考えています。今後、色々なテイストが出てくると思います」

　一筋縄ではいかない演出で見せる松村の変化にも期待が膨らむ。松村にとってまさに体当たりで臨む朝ドラ初出演。この大舞台での活躍に期待したい。

■放送情報
NHK連続テレビ小説『カムカムエヴリバディ』
総合：午前8:00〜8:15、（再放送）12:45〜13:00
BSプレミアム・BS4K：7:30〜7:45、（再放送）11:00 〜11:15
※土曜は1週間を振り返り
出演：上白石萌音、深津絵里、川栄李奈ほか
脚本：藤本有紀
制作統括：堀之内礼二郎、櫻井賢
音楽：金子隆博
主題歌：AI「アルデバラン」
プロデューサー：葛西勇也・橋本果奈
演出：安達もじり、橋爪紳一朗、松岡一史、深川貴志、松岡一史、二見大輔、泉並敬眞ほか　
写真提供＝NHK