キリト「俺はビーターだ」も再び堪能 『劇場版 SAO』は迫力の戦闘シーンがたまらない
リアルサウンド映画部の編集スタッフが週替りでお届けする「週末映画館でこれ観よう!」。毎週末にオススメ映画・特集上映をご紹介。今週は、編集部きってのベータテスター石井が『劇場版 ソードアート・オンライン -プログレッシブ- 星なき夜のアリア』をプッシュします。
『劇場版 ソードアート・オンライン -プログレッシブ- 星なき夜のアリア』
「元βテスターだと? オレをあんな素人連中と一緒にしないでもらいたいな。(中略)オレはビーターだ、これからは元βテスターと一緒にしないでくれ」
アニメ『ソードアート・オンライン』(以下、『SAO』)で最も印象に残っている台詞から始めさせてください。『SAO』シリーズを観てきた方ならもちろん、観ていなくても各所でネタにされていたりもするので、この台詞だけは知っているという方もいるかもしれません。
まったく初見の方に向けて大雑把に説明すると、作品内のゲームの試作品版(βテスト)に参加していた主人公キリトが、その経験をもとに序盤戦をほかプレイヤーより圧倒的に有利に進めていることでチーター(チート利用者)と呼ばれ、βテスト×チーターでベーターになったという感じです。
キリトが自らをあえて憎悪の対象とさせ、ほかプレイヤーの不満を一身に背負い、1人でやり遂げることを決意する劇中きっての名シーンなのですが、「ビーター」という言葉の妙なキャッチーさ、この台詞を放った後に颯爽と黒いマントをいきなり装着する様子など、どうしてもツッコミを入れたくなる要素が多々あり、「格好いい!」と素直に思えない感情もふつふつと湧いたものでした。シリーズを追いかけてきた方は、成熟としたキリトを知っているからこそ、彼の姿に微笑みを浮かべたくなるかもしれません。
そんな名シーンも最新作『劇場版 ソードアート・オンライン -プログレッシブ- 星なき夜のアリア』で再び堪能することができます。というのも今回の最新作は、2012年に放送されたアニメ1期と同じ『SAO』の最初の物語となる《アインクラッド》編を、ヒロインであるアスナの別視点から描いているからです。
つまり、9年にわたる長尺シリーズとなっている『SAO』をまったく未見でも、入口の一作として誰でも楽しめる内容となっています(物語の続きが気になれば、そのままアニメシリーズを観ることもできるのもありがたい)。