ハロウィンコスチューム人気の変遷 今年は『イカゲーム』盛況の一方で禁止の動き?

ハロウィンコスチューム人気の変遷を追う

 『イカゲーム』の衣装関連の経済効果には目を見張るものがある。緑ジャージ以外にも、ハロウィンに向けて劇中のキャラクターが履いていたような白のVansのスリッポンが売れまくっているらしい。スニーカー関連のニュースを扱う英ECサイトSole Supplierによると、白スリッポンの売上高はドラマ配信以降7800%も増加。さらに、Lyst社によると本アイテムの検索数は97%も増加したというのだ(参考:Vans Slip-On Sales Grew by 7,800% Since Squid Game's Series Premiere|Sole)。

 まさに今年のハロウィンは至る所で『イカゲーム』のコスプレを見かけることになりそうだが、そんな中興味深い事例があがっている。アメリカとヨーロッパの学校で“イカゲームのコスプレ禁止令”が発令されたというのだ。日本にはない文化だが、西欧の学校ではハロウィンデーとして10月31日にハロウィンのコスチューム登校を許している学校も少なくない。海外ドラマや映画でそういった様子を見かけたことがある人もいるだろう。しかし、そんなハロウィンデーで学校は次々と『イカゲーム』を規制する動きを見せている。

『イカゲーム』Netflixにて配信中

 英「タイムズ」紙によると、アイルランド・ダブリンのキャッスルパーク小学校も児童に対して本作の登場人物のコスプレを禁止したとのこと(参照:Pupils receive dressing-down over Squid Game outfits|THE TIMES)。本校ではすでに、運動会で一部の児童がドラマの真似事をしたという届け出があり、保護者会や教師の懇談会が開かれていた。同じく欧州のスペインでは、マドリードの小学校が保護者に対して子供への『イカゲーム』の規制と指導を求める内容の案内文を送っている。

 また、アメリカでもニューヨーク州の3校に禁止令が出されている。そのうちの一校の高校は、校長先生が保護者に対して「『イカゲーム』衣装が持つ潜在的かつ暴力的なメッセージが学校の服装規定に合わない」という手紙を出しているそうだ。

『イカゲーム』Netflixにて配信中

 禁止の背景は総じてドラマの暴力性、残酷な描写にあり、「児童が観るのには適していない」という意見が多くあがっていることが挙げられる。『イカゲーム』はNetflixの視聴年齢制限がR15となっており、本場の韓国では19歳未満の視聴が禁止された。

 その年のヒット作品や世相が反映される、ハロウィンのコスプレ。グローバルに注目を集める『イカゲーム』のコスプレ人気は、2021年のNetflixのさらなる躍進を象徴しているとも言えるかもしれない。

■配信情報
Netflixオリジナルシリーズ『イカゲーム』
Netflixにて全話独占配信
脚本・監督・演出:ファン・ドンヒョク
出演:イ・ジョンジェ、パク・ヘス、オ・ヨンス、ホ・ソンテ、ウィ・ハジュン、キム・ジュリョン、トリバティ・アヌファム、イ・ユミ

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「映画シーン分析」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる