亀梨和也が意識のない大島優子を優しく抱きしめる 『正義の天秤』鷹野の“治療”の根本
おもしろいことに、この当時の鷹野には今以上に表情がなく、ロボットのようなのだ。笑顔が可愛い久美子とは正反対。そんな彼女にとって正義は「人を幸せにすること」。この久美子の正義が、事実を追い求め、被告人の魂を救済するという鷹野の「治療」の根本になっているような気がしてならない。
長谷川は、久美子が襲われるきっかけになった「安倍川事件」にも関わっていた。久美子はこの事件を冤罪と考えていたようだ。何か知っていれば教えてほしいという鷹野に、長谷川は、「正義を貫いてほしい」という言葉とともに、ある人物の名前を告げる。鷹野が意識のない久美子に向かって、この名前を言ってみると、久美子は不意に涙をこぼす。たまらなくなり、彼女を優しく抱きしめる鷹野。なかなかたどり着けない真実に、もがき苦しみながらも、久美子を思う鷹野の姿がなんとも美しい第3話の終わりとなった。
■放送情報
土曜ドラマ『正義の天秤』
NHK総合にて、毎週土曜21:00〜21:49(連続5回)
出演:亀梨和也、奈緒、北山宏光、大政絢、佐戸井けん太、大島優子、萩原聖人、竹中直人、中村雅俊、山口智子ほか
原作:大門剛明
脚本:田辺満、田中眞一、井上季子
音楽:河野伸
制作統括:渋谷未来(ジ・アイコン)、真鍋斎(NHKエンタープライズ)、岡本幸江(NHK)
演出:片岡敬司、二宮崇
写真提供=NHK