『ボイスII』重藤班長復活は何を意味する? 未だ明らかになっていない謎の数々を考察
白塗り野郎の正体が明らかになった、唐沢寿明主演ドラマ『ボイスII 110緊急指令室』(日本テレビ系)。しかし、重藤班長復活も話題を呼んでおり、最終話までまだまだ多くの謎が残っている。
さて、白塗り男の正体である久遠京介(安藤政信)は、神奈川医科大学病院の監察医で、死因を改ざんできる存在だ。まず白塗り男の目的は、樋口(唐沢寿明)の最愛の息子・大樹(鳥越壮真)との絆を壊すこと。樋口が担当した、25年前のある虐待事件で母親から引き離された少年が久遠で、少年は虐待を受けていたにもかかわらず、引き離された際に樋口を睨むほど母を溺愛していた。第5話では、かつて樋口の正義観から犯罪者の命を救ったことが家族を苦しめることになり、その犯罪者の息子が逆恨みで樋口を井戸に監禁するというストーリーがあった。久遠もまた同様で、母親と引き離された恨みから、同じ体験を味わわせるために樋口親子の絆を壊そうとしたのだ。これが樋口に向けた犯行動機の一つ。
そこまで母親を溺愛するのなら、母親が虐待に走るようになった根本の理由が重要。小野田本部長(大河内浩)が関与しており、その小野田が自らの命を絶ってまで守らなければいけない秘密が隠されているようだ。白塗り男によって殺害された刈谷が、小野田の高校の同級生であり、樋口が拉致された場所にあった4人の白骨死体も小野田との関係者。過去に刈谷と4人の男は久遠の母親と何らかのトラブルがあったと推測でき、その理由を知ってるから久遠は虐待を受けようと母親を見捨てることができなかったのだろう。
さて、前回注目されたのが、白塗り男に誘拐され公開処刑されたはずのECUの前班長・重藤雄二(増田昇太)が生きていたこと。港の倉庫で樋口の相棒である石川透(増田貴久)が目覚めると、行方不明だった本部長・小野田が銃殺された遺体があり、その拳銃が石川の手に。元々薬がないと記憶が飛ぶ石川だっただけに、事件時の記憶が曖昧で、その遠い記憶にあるのが、火傷を負った重藤班長の姿。ホテルの映像にもその姿が映っていて、その音声を聞いた橘も「ありえない」と困惑しながらも重藤だと断定する。
当初から重藤は生きていると予想されていたが、分からないのが重藤の目的。当初は久遠の幼なじみだったり、重藤の兄である捜査一課課長・重藤通孝(藤本隆宏)と血が繋がっていないことから、久遠の兄弟の可能性も考えられたが、顔に火傷の痕があることから、白塗り男に捕まってから心の闇に火をつけられたと推測。では、重藤の心の闇とは何なのか。強いて言えば、重藤兄も樋口の行きすぎた正義やワンマンぶりを嫌っていることから、一途な正義に苦い思い出がありそうで、血縁のない兄弟の過去に何かあってもおかしくない。父親の影がない久遠は母親から引き離されたことでどこかの施設で暮らしたはずで、そこで知り合っていた可能性もあるし、忘れていた暗い記憶が甦ったという可能性もある。