『ブライズ・スピリット』ジュディ・デンチが作品を語る 「私にも色々なことが起きた」
9月10日に公開される『ブライズ・スピリット~夫をシェアしたくはありません!』より、“霊媒師”役ジュディ・デンチが映画の魅力や“死後”の世界に想いを馳せるインタビュー映像が公開された。
ノエル・カワードが1941年に発表し、約2000回にわたって上演された戯曲『陽気な幽霊』を原案とした本作は、あの世から帰ってきた妻が夫とやり直したいと願う、英国のアール・デコ様式の豪邸を舞台に、タイムリミット付きの切ない再会を描くラブシックストーリー。1945年にデヴィッド・リーン監督により映画化もされた作品を、現代にフィットする物語としてTVシリーズ『ダウントン・アビー』の監督のひとりであるエドワード・ホールが蘇らせた。同ドラマのマシュー・クローリー役で大ブレイクを果たしたダン・スティーヴンスが、霊媒師の力を借りて亡き妻をあの世から召喚させるベストセラー作家を演じ、ジュディ・デンチが不思議な力を持つ霊媒師マダム・アルカティを演じた。
個性的なキャラクター達の中で、特に強い印象を与えるのがマダム・アルカティ。怪しくも、夫と“2人の妻”に要所要所で大きな影響を与えることになる役どころであるデンチは、原案であるノエル・カワードの『BLITHE SPIRIT』について「傑作」と語る。そして、本作の撮影に入る少し前、実娘であるフィンティ・ウィリアムズが同作舞台でエルヴィラを演じたことを明かす。また、女優としてのキャリアをスタートした頃、カワードの脚本による演劇の劇場で彼と会う機会に恵まれたという。
ノエル・カワードといえば、俳優・作家・戯曲家・脚本家・演出家・作曲家・歌手・映画監督と、いくつもの顔を持ち、彼のトリビュート・アルバムに参加するなど、ポール・マッカートニーやブライアン・フェリーがリスペクトしていたことでも知られているが、デンチが1960年代に出演したカワード脚本による風俗喜劇舞台『Private Lives』が特に印象的だったことなど個人的な経験も重なり、本人にとってもとりわけ嬉しい映画出演となったよう。
「ノエル・カワードの作品は永遠。完璧に書かれていると思うし、ウィットに富んで演じるのが楽しい。観客にとっても幸せになれる作品だと思う」とデンチは魅力を語る。その上で、「原作から発展させ、手を加えるのはいいこと」と、本映画化にあたってのアレンジを評価する。役柄にちなんでの死後の世界についての質問に対し、「もちろん死後の世界を信じてる。何も存在しないって言い切るのは難しい。実際、私の周りにも色々なことが起こった」などと答える。
彼女が生まれた1930年代当時は霊媒師の力が信じられていた時代で、彼女が生まれた次の日、父親が有名な霊媒師のところを訪ねたところ、彼女にはまだ名前が付けられていなかったが、霊媒師は父親に対して『ジュディスが生まれたのは喜ばしいことね』と告げたという。それで、ジュディスという名前が付けられた(デンチの本名はジュディス・オリビア・デンチ)という驚くべきエピソードを明かしている。さらに、もしも自分が幽霊になったらという質問には、「大好きなスコットランドの西海岸をさまよっていると思う」とおどけながら答えた。
■公開情報
『ブライズ・スピリット~夫をシェアしたくはありません!』
9月10日(金)TOHOシネマズ シャンテほか全国ロードショー
監督:エドワード・ホール
原案:ノエル・カワード
出演:ダン・スティーヴンス、レスリー・マン、アイラ・フィッシャー、ジュディ・デンチ
配給:ショウゲート
2020年/イギリス/英語/100分/カラー/スコープ/5.1ch/原題:Blithe Spirit/字幕翻訳:中沢志乃
(c)BLITHE SPIRIT PRODUCTIONS LTD 2020
公式サイト:https://cinerack.jp/blithespirit/
公式Twitter:@BLITHESPIRIT_jp