2021.05.07 08:00

『カメラを止めるな！』フランスでリメイクへ　オスカー受賞作『アーティスト』監督が手がける

文＝リアルサウンド映画部

　2018年に公開された上田慎一郎監督作『カメラを止めるな！』が、『アーティスト』のミシェル・アザナヴィシウス監督によってフランスでリメイクされることが決定した。

　2018年に都内2館公開から始まった上田監督の劇場長編デビュー作『カメラを止めるな！』。和田亮一の舞台作品『GHOST IN THE BOX!!』に上田監督がインスパイアされ、ENBUゼミナールで製作した作品だ。口コミにより公開劇場が続々拡大し、各メディアでも取り上げられるなど社会現象化し、最終的には公開館数350館以上、動員数220万人超え、興行収入は31億円を突破する異例の大ヒットを記録。その人気は世界でも注目され、英題『One Cut of the Dead』として海外でも公開された。中でもフランスでは、フランス最大の日本映画祭「KINOTAYO（キノタヨ）現代日本映画祭」でオープニング作品として上映。観客投票で決定される最高賞ソレイユ・ドールを受賞し、2019年3月からは劇場公開もされ、話題を呼んだ日本映画となった。

　『Final Cut』というインターナショナルタイトルで映画化されるフランス版の監督を務めるアザナヴィシウスは、監督・脚本・編集を手がけた白黒のサイレント作品『アーティスト』で、第84回アカデミー賞において、作品賞や監督賞をはじめとする5部門を受賞。リメイク版の出演者には、『真夜中のピアニスト』『ムード・インディゴうたかたの日々』のロマン・デュリス、『アーティスト』のベレニス・ベジョをはじめ、グレゴリー・ガドゥボワ、フィネガン・オールドフィールド、マチルダ・ルッツらが名を連ねている。

　今回のフランスリメイクについて、上田監督とアザナヴィシウス監督よりコメントも到着。なお本作は、4月19日よりパリ郊外で撮影が開始され、日本公開は2022年を目安としている。

上田慎一郎監督

話を聞いたのは去年の秋頃でした。フランス版リメイク!?　監督は『アーティスト』のミ、ミシェル・アザナヴィシウス監督!?　ワクワクが止まりませんでした。脚本を読んでワクワクは更に増しました。アイツはこんなキャラになるんだ！　あの台詞こう変わるんだ！　うお、こんな展開も！　大興奮で読みました。映画は、お国柄や国民性が色濃く出ます。カメ止めが、フランスの地で、フランスの方々によって創られる事でどう生まれ変わるのか？今から楽しみでなりません。カメ止めは「ものづくりの楽しさ」を描いた映画でもあります。創り手の皆さん自身がものづくりを思いっきり楽しんで撮影して頂ければ嬉しいなと思います。よろしくでーす！