『コナン』シリーズ最高オープニング記録の一方、再び失われる「ゴールデンウィーク」

再び失われる「ゴールデンウィーク」

 先週末の動員ランキングは、4月16日(金)に公開された『名探偵コナン 緋色の弾丸』が、土日2日間で動員112万2000人、興収16億900万円をあげて、予想通りの圧倒的な成績で初登場1位となった。初日から3日間の累計では動員153万3054人、興収22億1813万800円を記録。この数字は、シリーズ最高興収93億7000万円を記録した前作『名探偵コナン 紺青の拳』の117.5%という見事な成績。当初は2020年4月17日に公開が予定されていた本作。公開延期を経て年内にリスケジュール、新作の製作をストップさせなかった同じ東宝配給の『映画ドラえもん』シリーズ(結局、今年の『映画ドラえもん のび太の小宇宙戦争 2021』も公開延期になってしまったが)と違って、早々と丸一年の公開延期という処置をとったわけだが、ファン離れどころかシリーズ人気のさらなる拡大傾向が見られる今回の結果は、ひとまずその対策が当たったことを示している。

 もっとも、コロナウイルスのパンデミックを受けて昨年からただでさえ困難続きだった映画興行は、今週に入ってまたしても新たな困難に向き合うことになってしまった。本コラムは毎週水曜日か木曜日に更新していて、昨年からは木曜更新が増えているが、それは週末に向けて政府や自治体から感染拡大予防の大きなガイドラインが示されるのが木曜日になることが多かったからでもある。しかし、ゴールデンウィークを控えて東京、大阪、京都、兵庫の4都府県に対する3回目の緊急事態宣言の発出が示唆されている今回は、木曜日になっても基本方針が示されず、地域ごと、業態ごとに、様々な予測が飛び交っている状況。これまでも映画興行は補償の対象とはならないまま、その都度、休業要請や時短営業の要請を受け入れてきたが、今回も政府及び自治体に大いに振り回されていて、多くのシネコンチェーンでは明日(4月23日)以降の予約をストップしている。

 明日公開の『映画クレヨンしんちゃん 謎メキ!花の天カス学園』の公開延期が、本日午後に急遽発表されるなど、既に大きな影響が出ている今回の動き。公開直前の延期発表はこれまでも何度もあったが、前日に発表というのは極めて異例のこと。それも、業界最大手の東宝配給作品ということで、今後も他作品への影響が懸念される。

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