『海辺の金魚』全州国際映画祭インターナショナルコンペティション部門に正式招待

『海辺の金魚』韓国映画祭へ

 小川紗良の初長編監督作『海辺の金魚』が第22回全州国際映画祭インターナショナルコンペティション部門に正式招待された。

 本作は、児童養護施設で暮らす少女たちの世界と心の成長を描く人間ドラマ。花は、母親が起こした事件のせいで小さい頃から施設で育つ。施設で過ごすことのできる最後の夏、母を取るか施設の子供たちを取るか、花は選択を迫られる。花の視線の先には、1匹の金魚。母との記憶を巡りながら、彼女は金魚を手に海へと向かう。

 花を演じるのは、『よこがお』『スペシャルアクターズ』『脳天パラダイス』の小川未祐。花と同じ施設に入所してきた8歳の少女、晴海をロケ地・阿久根のオーディションで選ばれた花田琉愛が演じている。また、児童施設長のタカ兄役を芹澤興人が、花の同級生で数少ない友人を・貫太役を福崎那由他が務め、花が迎えに来る日を待ち望んでいる母役を山田キヌヲが演じる。また、撮影監督を、『誰も知らない』『永い言い訳』『焼肉ドラゴン』などの山崎裕が務めた。

 全州国際映画祭は、韓国三大映画祭のひとつで、アジアを代表するインディペンデント映画祭。今回で22回目の開催となる。過去、日本から同部門には、松永大司監督作『トイレのピエタ』や、第41回PFFアワードグランプリを獲得した中尾広道監督作『おばけ』などが招待されている。

 小川監督は、初の長編監督作品が海外映画祭に選出されるという快挙となった。新型コロナウイルス感染症により現地での登壇はできないが、現地で行われるオンラインQ&Aに出演する。

 小川監督は「全州国際映画祭は、4年前に私の初出演作で訪れた海外映画祭です。会場だ
けでなく街中が映画祭に染まり、映画を中心に時が流れていく感覚がとても心地良かったの
を覚えています。また観客に若者が多いことや、上映後のQ&Aの盛り上がりにも刺激を受
け、映画という芸術文化が愛され、守られ、生き生きと育まれていく様子を肌で感じました。そのような映画祭に、今度は初長編監督作で参加できることを心から嬉しく思います。外へ出て挑んでみたいという野望が、縁のある場所で叶いました。コロナ禍で現地へ行けないことが本当に悔やまれますが、映画に想いを託します。最後に、ここまで共に作品を作り上げてくださったスタッフ・キャストの皆様、本当にありがとうございました。再び平穏が訪れた日には、またみんなで海外映画祭へ行きたいです」と、喜びを語った。

■公開情報
『海辺の金魚』
6月25日(金)より、新宿シネマカリテほか公開
出演:小川未祐、花田琉愛、芹澤興人、福崎那由他、山田キヌヲ
監督・脚本・編集:小川紗良
撮影:山崎裕
音楽:渡邊崇
スチール:川島小鳥
企画・プロデュース:小出大樹
共同プロデューサー:岡田真、佐藤現
特別協力:鹿児島県阿久根市・阿久根市フィルムコミッション 
製作・配給:東映ビデオ  
(c)2021東映ビデオ
公式サイト:umibe-kingyo.com
公式Twitter:@UmibeKingyo

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