『21ブリッジ』監督、過酷な夜間撮影からチャドウィック・ボーズマンとの作業までを語る
4⽉9⽇公開のチャドウィック・ボーズマン最後の劇場公開主演・プロデュース作品『21ブリッジ』より、ブライアン・カーク監督のインタビューが公開された。
本作は、ニューヨークのマンハッタン島を舞台に、警察官の父を殺害された過去を持つアンドレ刑事(チャドウィック・ボーズマン)が、孤立無援の中、街ぐるみの犯罪に挑むクライム・アクション・ミステリー。「マンハッタン島にかかる21の橋を全て封鎖し、この島を警官で埋め尽くす」というアイデアに、ボーズマンが「脚本を読んで面白くて、観たことのない作品になると思った。そしてその通りの出来になった」と語るほど惚れ込んだ。主演のみならずプロデュースという形で参加したボーズマンだが、惜しくも全米公開からわずか9カ月後の8月28日、ガンのためロサンゼルスの自宅で43歳の若さでこの世を去ってしまった。
『アベンジャーズ/エンドゲーム』『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』の監督ほか、多くのヒット作を手がけるジョー・ルッソ&アンソニー・ルッソ兄弟が製作を務め、『ゲーム・オブ・スローンズ』などのカークが監督を担当。共演には、『アメリカン・スナイパー』のシエナ・ミラー、『バトルシップ』のテイラー・キッチュ、『セッション』のJ・K・シモンズらが名を連ねている。
一夜で起こった出来事を描いた本作は、全てのシーンが夜間での撮影で進められ「身体は8週間の夜間撮影によって相当な影響を受けている。多くの人にとってこんな撮影は始めての経験だった」とカーク監督はその独特な経験を語り、「チャドウィックは、『この撮影経験が、とても興味深くリアルな感じでうまく映画に表れている』と言っていた。身体的疲労を感じることによって、彼は実際の警察官と同じ体験をすることができたんだ。特に殺人事件なんかが発生すると、実際、警察は3、4日間ぐらい昼夜問わず捜査しなければならないし、寝ることもままならないからね」と過酷な撮影現場の状況が演技によりリアリティをもたらしたことを振り返る。
また、本作の成り立ちについて「今回、我々には素晴らしい作品作りの要素がたくさん揃っていた。まず、元々のコンセプトの明確さとその力。次に、映画業界の中でも、突出して大きな成功を収めたルッソ兄弟が製作として参加したこと。そして3つ目は、旬な映画スターであるチャドウィックをキャスティングできたことだ」と脚本、スタッフ、そして俳優に恵まれたことを監督は解説。「彼が素晴らしい俳優であることは周知の通りですが、『ブラックパンサー』に出演したことで彼の格が一気に上がった。すでに映画スターとして世界的アイコンとなったチャドウィックだけど、まだまだ俳優として多くの可能性を秘めていた。だから、本作へ出演することで、『ブラックパンサー』以来の素晴らしい役になるきっかけを与えられたら、と思ったんだ」とボーズマンへの新たな期待を込めていたことを明かす。
続けて監督は「彼が主役兼プロデューサーとして『21ブリッジ』に参加することが決定し、いざストーリーについて話す機会が訪れたとき、僕は彼に『これは物語の“探究”だけど、僕が求める物語の方向性に伴って変化する登場人物の“探究”でもあるんだ。僕は、役者として君が自由に表現でき、自己探索できるきっかけを与えられるような選択をしたい』と伝えた。そして、彼は最大限の力を注いでくれた。実際LA市警やNY市警両方の役柄についてリサーチした際、チャドウィックの経験値に頼った部分が大きかったよ」とボーズマンに称賛を寄せた。
■公開情報
『21ブリッジ』
4⽉9⽇(金)全国ロードショー
監督:ブライアン・カーク
脚本:アダム・マーヴィス、マシュー・マイケル・カーナハン
製作:ジョー・ルッソ、アンソニー・ルッソ
出演:チャドウィック・ボーズマン、シエナ・ミラー、テイラー・キッチュ、J・K・シモンズほか
配給:ショウゲート
2019/中国・アメリカ/99分/原題:21 Bridges
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公式サイト:21bridges.jp
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