『また、あなたとブッククラブで』のドライブ感 『SATC』を思い出すような会話劇を堪能
40年連れ添った夫を亡くした喪失感からまだ抜け出せないダイアン(ダイアン・キートン)、複数の男性たちとの関係を楽しんでいるハイクラスな経営者・ビビアン(ジェーン・フォンダ)、離婚のトラウマに苦しんでいる管理職・シャロン(キャンディス・バーゲン)、熟年夫婦の危機に直面する専業主婦・キャロル(メアリー・スティーンバージェン)。人生の折り返しを迎えそれぞれが抱える悩みと向き合うなか、まさかの『フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ』に感化され、日常に彩りを取り戻していきます。
本作の見どころは、なんと言ってもテンポのいい会話劇に集約されるでしょう。『ゴッドファーザー』のダイアン・キートンをはじめ、子どもの頃に観ていた名画で輝きを放っていた女優たちが、円熟味を増し絶妙な会話のキャッチボールを繰り広げるさまは気持ちの良さすら感じます。映画の対象年齢は上を想定していると思うのですが、観ていると『セックス・アンド・ザ・シティ』を思い出すようなドライブ感もあり、意外と若い世代が観ても楽しめる作品になっているのでは、と感じました。
本をはじめ1本の作品を通して、人生が大きく変わった、新たな気付きを得たといった経験は誰しもあるのではないでしょうか。本作は、そんな作品との出会いの素晴らしさを改めて思い出させてくれます。不安な日々が続きますが、感染防止策に配慮しながら是非観賞ください。
■公開情報
『また、あなたとブッククラブで』
ヒューマントラストシネマ有楽町、ヒューマントラストシネマ渋谷ほかにて公開中
監督・共同脚本・製作:ビル・ホルダーマン
出演:ダイアン・キートン、ジェーン・フォンダ、キャンディス・バーゲン、メアリー・スティーンバージェン、アンディ・ガルシア、ドン・ジョンソン、クレイグ・T・ネルソン、リチャード・ドレイファス
配給:キノフィルムズ
2018年/アメリカ/スコープサイズ/104分/カラー/英語/DCP/5.1ch/日本語字幕:鈴木恵美/原題:Book Club/映倫:G
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