15周年を直近に控え新作アニメシリーズも発表 『コードギアス』はなぜファンを魅了し続ける?

 2000年以降最もヒットしたオリジナルロボットアニメは何か?

 その問いに『コードギアス』と答える人も多いのではないだろうか。ロボットアニメ全体が下火になる中で、新作スマホアプリゲーム『コードギアス Genesic Re;CODE』と共に、新作アニメシリーズの『コードギアス 奪還のゼット』の制作が発表された。今回は2021年で15周年となる『コードギアス』シリーズを振り返りながら、現代でも高い人気をほこる本作の魅力について迫っていきたい。

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 『コードギアス』シリーズは2006年より深夜アニメとして放送を開始した『コードギアス 反逆のルルーシュ』が発端となっている。『機動戦士ガンダム』などで知られるサンライズが制作した、オリジナルロボットアニメシリーズだ。また監督は『スクライド』『プラネテス』などの2000年代のアニメ作品を語る上では外せない名作・傑作を多く作り上げた谷口悟朗ということもあり、放送前から注目度が高かった。

 その魅力は多岐にわたるものの、多くの人の印象に残るのは予想できない展開だろう。オリジナル作品ということもあるが、1話ごとに印象的な引きを作り込み、次の話を観たいと思わせる。時には1話見逃しただけで全く状況が異なり、敵だったはずのキャラクターが味方に、またその逆に味方が敵になるなどの視聴者を飽きさせることのない展開が続いた。

 また、多くの人気漫画を手がけるCLAMPがキャラクター原案を担当し、頭身の高いキャラクターたちは、男女を問わず魅了した。主人公・ルルーシュは卓越した頭脳と戦略を持ちながらも、学園パートになると勘違いによるコメディを繰り広げるなどのギャップもあり、多くの女性ファンを虜にする。そしてセクシーな魅力を振りまきながらも、愛らしく、芯の強い女性キャラクターたちに男性ファンが魅了されていった。

 もちろん、ロボットアクションも多彩だ。ナイトメアと呼ばれるそれらの機体がスタイリッシュに動き回る姿は、当時のロボットアニメとしてもクオリティが高く、多くの人を驚かせた。

 プロデューサーの河口佳高は、本作の企画に『機動戦士ガンダムSEED』のヒットの影響があることを明かしている。かつてはロボットアニメというと男の子が熱中するイメージが強かったが、90年代中頃から変化が訪れる。『新機動戦記ガンダムW』などが女性にもヒットし、SEEDも高い女性人気を獲得、『ガンダム』シリーズは男の子だけのものではないということを証明した。その影響も受けて男女ともに愛されるロボットアニメを作ろうと企画し、それが見事に当たった形だ(参考:サンライズのアニメーションはこうして作られている|ねとらぼ)。

 ただ、それだけキャッチーな要素を多く入れているだけではない。従来のロボットアニメが表現してきた“戦争”というテーマを内包している。例えば富野由悠季監督は、人が争うことによる戦争被害であったり、ある種の絶望を描いてきた。『機動戦士ガンダム』では片方が正義で、もう一方は悪という勧善懲悪を排し、どちらにもそれぞれ正義があり、またそれにより翻弄されていく人々を描くことで、戦争のリアルな姿をエンタメとして描き抜いた。

 今作の第1話において、日本が戦争に負けた後に植民地となり、エリア11と呼称を変えられ、また日本人はイレブンという蔑称で呼ばれるという衝撃の設定が冒頭で開示される。しかも日本を占領したのは現実世界ではアメリカ大陸に存在する、神聖ブリタニア帝国だ。当時は9.11テロ、イラク戦争などもあり、日米安保のあり方が大きな問題となっていた頃だ。あくまでもエンタメのフィクションといえども、この設定にはドキリとするものがある。

「人は平等ではない。(中略)生まれも育ちも才能も、人間はみな違っておるのだ。だからこそ人は争い、競い合い、そこに進歩が生まれる。不平等は悪ではない。平等こそが悪なのだ」

 敵国である神聖ブリタニア帝国の皇帝の演説だ。演じる若本規夫の演技もあり、今でも多くの視聴者の印象に残る場面だ。この言葉そのものは非常に過激で、悪役のものとはいえさすがに問題があるのではないか? という意見もあるだろう。それと同時に、競争社会により格差が拡大していく現代を思い起こせば、言葉はどうあれ、このような社会に進んでいるようにも感じる部分もあるのではないだろうか。

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