『極主夫道』ドラマとアニメでそれぞれ主役に 玉木宏と津田健次郎に共通点?

『極主夫道』玉木宏と津田健次郎に共通点?

両極に振り切れる幅の広さ

 『極主夫道』はアニメ化され、2021年春からNetflixで全世界配信されることも話題だ。アニメ版で不死身の龍を演じるのは、NHK連続テレビ小説『エール』のナレーションを務めるなどで人気の声優・津田健次郎だ。

連続テレビ小説『エール』(写真提供=NHK)

 津田は大学や養成所で演技を学んだのち、1995年にテレビアニメ『H2』の野田敦役で声優デビュー。声優以外にも実写のドラマや映画、舞台にも数多く出演するなどマルチに活躍している。昨年公開された映画『ドキュメンターテイメント AD-LIVE』で、監督・脚本を務め、活動の場は広がるばかりだ。

 津田健次郎と言えば、大人の色気を感じさせる低音のスモーキーボイスで知られ、声の特性からも落ち着いた寡黙な役柄を演じることが多い。例えば『テニスの王子様』では、データを武器に戦う頭脳派で眼鏡がトレードマークの乾貞治。『薄桜鬼』では、俺様タイプ
の自信家剣士の風間千景。『K』では寡黙だが熱くなりやすい赤髪のリーダー周防尊など。現在放送中の『ゴールデンカムイ』では、冷静な狙撃手の尾形百之助、『呪術廻戦』ではスーツ姿で呪霊と闘う脱サラの呪術師・七海建人を演じている。洋画の吹き替えも数多く担当し、映画『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』で、アダム・ドライバーが演じたカイロ・レンの日本語吹き替えが有名だ。

 落ち着いた役からコメディまで、両極に振り切ることができる幅の広さは津田の特性の一つだろう。ひとたびコメディ作品に携われば、その声の個性と共に存在感を発揮する。『食戟のソーマ 豪ノ皿』のドン・カーマは髭に眼鏡の紳士なのにオネエ口調という個性的な役柄が話題になった。『秘密結社 鷹の爪 〜ゴールデン・スペル〜』のアドリアン・ザハル、『アフリカのサラリーマン』のトカゲなどマジメさが笑いを誘う役柄もあり、玉木宏と通じるところがあるだろう。

 両者の共通項は、端的に言えば大人のイケメンで低音のイケボであるということ。そうした本人の特性を理解した上で、ギャップを絶妙に操る技量も持っている。シリアスな演技はもちろん自然体の演技も評価されているからこそ、光るコメディセンス。玉木宏の持ち味を存分に引き出した『極主夫道』で、今度は津田健次郎のキャラクター性が輝くだろう。

■榑林史章
「山椒は小粒でピリリと辛い」がモットー。大東文化大卒後、ミュージック・リサーチ、THE BEST☆HIT編集を経て音楽ライターに。演歌からジャズ/クラシック、ロック、J-POP、アニソン/ボカロまでオールジャンルに対応し、これまでに5,000本近くのアーティストのインタビューを担当。主な執筆媒体はCDジャーナル、MusicVoice、リアルサウンド、music UP’s、アニメディア、B.L.T. VOICE GIRLS他、広告媒体等。2013年からは7年間、日本工学院ミュージックカレッジで非常勤講師を務めた経験も。

■放送情報
『極主夫道』
日本テレビ系にて、毎週日曜22:30~23:25放送
出演:玉木宏、川口春奈、志尊淳、古川雄大、玉城ティナ、MEGUMI、安井順平、田中道子、白鳥玉季、中川大輔、片岡久迪、水橋研二、本多力、新津ちせ、橋本じゅん、滝藤賢一、稲森いずみ、竹中直人
原作:おおのこうすけ『極主夫道』(新潮社『くらげバンチ』連載中)
脚本:宇田学ほか
監督:瑠東東一郎ほか
チーフプロデューサー:前西和成
プロデューサー:中山喬詞、小島祥子、清家優輝(ファインエンターテイメント)
共同プロデューサー:池田健司(日本テレビ)
制作協力:ファインエンターテイメント
制作著作:読売テレビ
(c)読売テレビ
公式サイト:https://www.ytv.co.jp/gokushufudo/
公式Twitter:https://twitter.com/gokushufu_drama
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