田中俊介は“けだもの俳優”としてオファー殺到? 『恋するけだもの』での怪演を白石晃士監督が絶賛
映画『恋するけだもの』の初日舞台挨拶が12月4日にアップリンク吉祥寺にて開催され、ダブル主演を務めた田中俊介と宇野祥平、共演の上のしおり、金子鈴幸、白石晃士監督が登壇した。
本作は、“女装男が男に声をかけ、交際を断ると殺す”という都市伝説が残る、山に囲まれた田舎を舞台に巻き起こるバイオレンス・スーパーナチュラル・ラブストーリー。2018年8月に公開された白石監督による短編バイオレンスラブコメディ『恋のクレイジーロード』をベースに、装いも新たにリブートした。
白石監督は、“リブート”作である本作について、「監督としてもリブートしたような気持ち。リブートした白石の作品がこれから快進撃を続けていけるんじゃないかと」と激しい身振りを交えながら本作が自信作になったことを明かす。主演を務めた田中は、「『恋のクレイジーロード』では多重人格の男、今回は“けだもの”になる役柄……白石さんの作品でなければ演じられないですね(笑)」とコメント。
「でも、しんどかったでしょ?」という白石監督からの問いかけには、「4回“変身”していますからね。1回目に100%の力で変身してしまったので、あとの3回はどうようと(笑)」と当時の心境を明かす。この変身シーンは特殊メイクなどはなしで、田中が“そのまま”の姿で挑戦。白石監督は「いい感じに照明も入って、なかなかえぐい白目が出来上がりました。今、なかなかちゃんと白目をむいてくれる役者さんがいないので、田中くんは貴重な存在です」と絶賛。「ケモノ俳優? いや、“けだもの俳優”です」と田中が返すと、宇野も「白目の仕事が増えると思います」と背中を押した。
宇野が演じたのは女装男・江野祥平。関西弁で気に入った男性に理不尽な要求を突きつけていく姿は狂気に満ちている。その演技について白石監督は、「「映画『ヒッチャー』のルトガー・ハウアーに似ている気がしました。そんなイメージで宇野さんが演じてくれているのかと思っていました。僕自身もあの作品が大好きなので、そういう影響がストレートに作品に出ちゃったのかなと感じました」と解説。そのまま、田中、宇野に「『ヒッチャー』はデジタルリマスター版の上映が来年あるようなので、ぜひ観てください」と別作品のアピールを行い、会場からは笑い声が漏れた。
■公開情報
『恋するけだもの』
全国順次公開中
出演:田中俊介、宇野祥平、上のしおり、木村知貴、細川佳央、大迫茂生、久保山智夏、金子鈴幸
監督・脚本:白石晃士
製作:ダブル・フィールド
配給:白石晃士と坪井篤史の映画狂人ロード
(c)2020 白石晃士/ダブルフィールド
公式Twitter:@koikure55