のん×林遣都『私をくいとめて』メイキング写真公開 第33回東京国際映画祭出品を受けコメントも

『私をくいとめて』のんメイキング写真

 のんと林遣都が初共演を果たす映画『私をくいとめて』が第33回東京国際映画祭「TOKYOプレミア2020」部門に招待されることが決定し、監督の大九明子、主演ののん、東京国際映画祭シニア・プログラマーの矢田部吉彦からのコメントとメイキング写真が公開された。

 本作は、綿矢りさ原作の同名小説を、『勝手にふるえてろ』『美人が婚活してみたら』の大九監督が映画化するもの。

 30歳を越え、おひとりさまもすっかり板についてきた黒田みつ子。みつ子がひとりきりでも楽しく生活できているのにはわけがある。脳内に相談役「A」がいるのだ。人間関係や身の振り方に迷ったときはもう一人の自分「A」がいつも正しいアンサーをくれる。「A」と一緒に平和なおひとりさまライフがずっと続くと思っていたそんなある日、みつ子は年下の営業マン多田くんに恋をしてしまう。きっと多田くんと自分は両思いだと信じて、ひとりの生活に慣れきってしまったみつ子は20代の頃のように勇敢になれない自分に戸惑いながらも、一歩前へ踏み出すことにする。

 脳内に相談役「A」をもつ31歳おひとりさま・黒田みつ子を、女優・創作あーちすとののんが演じ、みつ子が恋をする多田くん役を林が務める。

 10月31日から11月9日まで東京・六本木で開催される第33回東京国際映画祭。コロナ禍でありつつも、映画作品を劇場の視聴環境で体験してもらうことにこだわり、コロナ感染症対策を徹底しながらリアルな場で実施される。本作に関して、東京国際映画祭シニア・プログラマーの矢田部氏は「実は彼女の悩みや逡巡は我々みんなのものだ。孤独からいかに抜け出すか。『私をくいとめて』が描く、一歩を踏み出す勇気こそ、今年の映画祭のテーマなのだと思わずにいられない」と評している。

 今回招待が決定した部門は「TOKYOプレミア2020」と銘打たれたショーケースの部門。従来の「日本映画スプラッシュ」「アジアの未来」「コンペティション部門」が統合された今年限定の部門となる。本部門では、32作品(欧米10、アジア12本、日本10本)の上映を予定しており、同部門の全作品を対象とした「観客賞」が設けられている。

 本映画祭への参加に関して、大九監督、のんは「特別な一年の特別な映画祭に選んでいただき、大変光栄です。部屋から一歩踏み出して、東京国際映画祭に参加することが、心底楽しみです! 」(大九監督)、「東京国際映画祭への出品、とても嬉しく思います。そして、今年も映画祭が開催されるんだという喜びを大きく感じています」(のん)とそれぞれコメントを寄せている。

 あわせて公開されたメイキング写真では、撮影中にコミュニケーションを取る監督とのんの様子が収められている。大九監督は撮影について、「のんさんはいっぱい質問してくれました。その対話の中で、この映画の核を再確認できたように思います」とコメントを残した。

コメント

大九明子監督

特別な一年の特別な映画祭に選んでいただき、大変光栄です。
『私をくいとめて』は、撮影中断を経てようやく生み出されました。私は、人に怯え、人との距離感を計りながら生きる人間を好んで描いて来たけれど、ウィルスに距離を取らされるのは不本意です。ステイだのゴーだの指図を受けるのも。映画作りや、劇場で映画を観る体験が、命を脅かすことになるなんて辛い。私の人生にはそれらが欠かせないのです。部屋から一歩踏み出して、東京国際映画祭に参加することが、心底楽しみです!

のん

東京国際映画祭への出品、とても嬉しく思います。
そして、今年も映画祭が開催されるんだという喜びを大きく感じています。
映画は、観た人の人生に関わるもの。
その映画を観た事は目や耳から頭の中に入ってその人の思い出として刻まれる。
この作品でみつ子を演じたのは、私の中でとても大切なものとなりました。
みつ子さんや多田君やAが、ちょっとでも観てくださる方の人生に関われたら嬉しいなと、今から楽しみにしています。

矢田部吉彦(東京国際映画祭シニア・プログラマー)

人は常に自分と対話しながら生きている。それが行き過ぎると、閉じこもってしまう。そんな深刻な状況をユーモア交りに描かせたら、大九監督は抜群に上手い。
そして主人公に対する感情移入への誘いが巧みだ。
のんさんの魅力があまりに眩いため、自分と重ねるのは憚られるけれども、実は彼女の悩みや逡巡は我々みんなのものだ。
孤独からいかに抜け出すか。『私をくいとめて』が描く、一歩を踏み出す勇気こそ、今年の映画祭のテーマなのだと思わずにいられない。

■公開情報
『私をくいとめて』
12月18日(金)、全国ロードショー
出演:のん、林遣都、臼田あさ美、片桐はいり、若林拓也
監督・脚本:大九明子
原作:綿矢りさ『私をくいとめて』(朝日新聞出版)
製作幹事・配給:日活
制作プロダクション:RIKIプロジェクト
企画協力:猿と蛇
(c)2020『私をくいとめて』製作委員会
公式サイト:kuitomete.jp
公式Twiter:@kuitometemovie

■開催情報
第33回東京国際映画祭
開催期間: 2020年10月31日(土)~11月9日(月)
会場:六本木ヒルズ、EX シアター六本木(港区)ほか
公式サイト:www.tiff-jp.net

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