福士蒼汰によるダークヒーローの系譜 『DIVER-特殊潜入班-』で魅せる暗躍ぶり

福士蒼汰によるダークヒーローの系譜

 警察内に秘密裏に結成された「潜入捜査官チーム」(通称“D班”)が組織犯罪の闇に立ち向かうサスペンスドラマ『DIVER-特殊潜入班-』(カンテレ・フジテレビ系)。主人公でD班の潜入捜査官・黒沢兵悟を演じるのは福士蒼汰だ。これまで爽やか好青年役のイメージが強かった福士が、どんな“ダークヒーロー”を魅せてくれるのか注目が集まっている。

 長身、甘いマスクから、学校一のモテ男、人気者、イケメンとしてヒロインの恋愛相手役として抜擢され、主に学園恋愛もの作品に登場し世の女性を虜にしてきた福士。映画『好きっていいなよ。』『ストロボ・エッジ』がまさにそうで、彼の出世作となったNHK連続テレビ小説『あまちゃん』でもヒロインが一目惚れする先輩役を好演した。いずれもクールに見えて実は優しいという女子の大好物なギャップを全て詰め込んだかのようなキャラクター像。また、彼が持ち合わせる実直な雰囲気がぴったりマッチしたのが、映画『ぼくは明日、昨日のきみとデートする』での垢抜けない美大生役で、あまりに切ない恋愛模様に観る者の涙を誘った。『きょうは会社休みます。』(日本テレビ系)での9歳年上の女性に一途な想いを寄せる大学生役では、“胸キュン男子”の名を欲しいままにし、“壁ドン”ブームの火付け役にもなった。

 「役どころイケメン」のオンパレードを経て、彼の演技に新たな幅が生まれたきっかけとなったのが、アクション作品への登用だった。彼の高い身体能力、スタイルの良さ、端正な顔立ちなどの圧倒的ビジュアルの良さが生かされる場が、恋愛作品以外に少年向けコミック原作作品にもあったのだ。初の悪役に挑戦した映画『無限の住人』でのラスボス的存在・天津役では、規格外の強さ以外に、時代劇ものということもあってか美しく妖艶な雰囲気を見事に全身に纏い、これまでのイケメン男子学生役というイメージからの脱却に見事成功した。その後も映画『曇天に笑う』『BLEACH』でのほぼノースタントで臨んだアクションシーンで原作ファンを唸らせ、昨年は映画『ザ・ファブル』で殺しもためらうことなく行う何でも屋の青年役を熱演し、殺人に愉しみすら覚える冷酷な悪役の“狂気性”を見事演じ切った。

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