『愛していると言ってくれ』は年上ピュア男役の豊川悦司が最大の魅力 『恋つづ』佐藤健に匹敵!?

『愛していると言ってくれ』は年上ピュア男役の豊川悦司が最大の魅力 『恋つづ』佐藤健に匹敵!?

 ドリカムことDREAMS COME TRUEによる大ヒット主題歌「LOVE LOVE LOVE」がリフレインする恋愛ドラマ『愛していると言ってくれ』(TBS系)。制作されたのは1995年で、今をさかのぼること四半世紀前だが、現在「2020年特別編」を再放送中ということで、まるでタイムカプセルを掘り起こしたように、ベテラン俳優・豊川悦司の若き日の姿が「かっこよすぎる!」「色気がハンパない」と評判を呼んでいる。そこで、ドラマを観れば分かることではあるが、当時の熱狂を知る昭和生まれの人間としてはあえて語っておきたい。あの頃のトヨエツは、今で言えば『恋はつづくよどこまでも』(TBS系)の佐藤健に匹敵するほど“爆イケ”だったのだと。

 豊川悦司は演劇界でキャリアをスタートさせ、既に北野武監督の映画『3-4×10月』や三谷幸喜作の舞台を映画化した『12人の優しい日本人たち』でキラリと光る存在感を見せていたが、テレビシーンにおいてその名が認識されたのは、1992年の深夜ドラマ『NIGHT HEAD』(フジテレビ系)だった。飯田譲治監督によるSFサスペンスで、研究所から脱走した超能力者の霧原兄弟を豊川と「筋肉体操」の武田真治が演じた(当時は細身だった)。まだ無名だった2人のフレッシュな魅力が注目され、能力が強すぎて辛い弟(武田真治)が「兄さん、頭が痛いよ!」と兄(豊川悦司)に訴え兄が弟を抱きかかえる様が今でいうBL(ボーイズラブ)のような萌えを巻き起こし、スマッシュヒットした。

 その後、豊川はゴールデンタイムの連ドラに進出し『この世の果て』(フジテレビ系)、『この愛に生きて』(フジテレビ系)などの愛憎劇で男性キャストの二番手までキャリアアップ。そして、『愛していると言ってくれ』でついに主演の座をつかむ(常盤貴子とのダブル主演)。演じた榊晃次は耳が聞こえず声を出さない画家という役柄で、手話を駆使しての演技となったが、豊川が長い腕と指で滑らかに“話す”手話は、まるでパントマイムかバレエのよう。舞台に立っていた人ならではの手先足先まで神経の通った優雅な動きに魅了された人も多いだろう。また、これだけ多くの場面で手話を繰り出しながら言葉を発さずに役の感情を顔でも表現することはとても難しいはずだが、豊川はもともと手話を使っている人としか思えない自然さで演じている。

 『愛していると言ってくれ』の出演時は既に33歳。水野紘子役の常盤貴子は23歳で、展開するのは年齢差のある恋。ピュアなラブストーリーであると同時に、まだ何者でもなく恋愛経験もあまりない若い女性が10歳上の男性に恋をし、猛アタックして彼女にしてもらえるが、せっかく付き合えたのに、彼と同年代の元カノの出現によって独占欲を爆発させ自滅してしまうという“若さゆえのあやまち”的な物語にも見える。6月14日(日)放送の第7話以降で、その“あやまち”が描かれていくが、筆者を含め放送当時の若い視聴者は、むしろ紘子になりきって「せつなーい」とどっぷりと共感した。

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