大泉洋、『ハケンの品格』東海林役は持ちネタを活かしたキャラに 様々な引き出しを使った役作り

大泉洋、チャーミングに仕上げる役作り

 特に第5夜では東海林にとって一番重要とも言えるプロポーズのシーン。取り付く島もない春子に対して果敢に「俺が本当に結婚したいのはお前だ」と伝えた男らしさには胸を打たれる。しかし、春子は相変わらずなびこうとしない。里中から企画を奪い自分だけ出世していくことに苦悩し、春子からの返事がないことにも頭を悩ます東海林。セリフの間や表情で繊細に怒りや苦悩を表しながらも、いつもどこかチャーミングな要素を忘れない芝居はまさに大泉の十八番。さらに、本作では持ち前のくるくるパーマを武器に、「ストレート」が禁句という自身の持ちネタを活かしたキャラクター設定。ドラマや映画だけでなく、バラエティでも活躍する大泉だからこそ、様々な引き出しを使って役作りができているのだろう。

 もともと大泉がブレイクしたきっかけは、自身が出演する北海道テレビのバラエティ『水曜どうでしょう』の人気が広がり、番組が全国区で話題になったことだ。その際に準レギュラーで出演していたのが、本作で一ツ木を演じている安田顕である。2人は演劇ユニットTEAM NACSでも活動を共にしており、度々ドラマでも共演している。2007年に作られた本作では、安田と共に伸び伸びと芝居を楽しむ大泉だが、昨年放送された連続テレビ小説『なつぞら』(NHK総合)では北海道を舞台にしたシーンが多かったこともあり、TEAM NACSのメンバーひとりひとりが順繰り出演していた。

 次週は東海林に、春子が好きなことを漏らした里中はどう出るのか。三角関係の進展から目が離せない。

■Nana Numoto
日本大学芸術学部映画学科卒。映画・ファッション系ライター。映像の美術等も手がける。批評同人誌『ヱクリヲ』などに寄稿。Twitter

■放送情報
『春子の物語 ハケンの品格 2007 特別編 第六夜』
日本テレビ系にて、5月20日(水)22:00~23:00
『春子の物語 ハケンの品格 2007 特別編 第七夜』
日本テレビ系にて、5月27日(水)22:00~23:00
出演:篠原涼子、小泉孝太郎、大泉洋、勝地涼、上地雄輔ほか
製作著作:日本テレビ
(c)日本テレビ

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