朝ドラ『エール』で進化した『ラストコップ』の世代差バディ 窪田正孝×唐沢寿明の信頼感

『エール』窪田正×唐沢寿明の信頼感

 連続テレビ小説『エール』(NHK総合)で、主人公の父・古山三郎を演じているのが唐沢寿明だ。幼い裕一(窪田正孝)にクラシックを聞かせ、音楽家になるきっかけを作った三郎は、音(二階堂ふみ)との結婚を後押しするなど身近な場所から裕一を見守る。

 三郎と裕一は親子ではあるが、年の離れた友達のような関係だ。国際作曲コンクールで入賞した裕一を祝って飲みに誘うなど、養子に入った息子を案じながらも、誰よりも活躍を喜んでいるのが三郎である。商才に恵まれない三郎だが、『エール』ではコメディタッチの演技が光っている。第1話で裕一が生まれた喜びのあまり町を走り回ったり、裕一を追って豊橋の関内家を訪れる場面(第23話)では、光子(薬師丸ひろ子)がこぼしたお茶に足を滑らせるなど、軽妙な演技でストーリーを牽引している。

 これまでも窪田と唐沢の共演はあったが、中でもダブル主演を果たした『THE LAST COP/ラストコップ』(日本テレビ系)は2人にとって記念碑的な作品だ。単発のスペシャルドラマとしてはじまった同作は、2016年に連続ドラマ化、『another story』として動画配信サイトHuluでスピンオフが配信され、最終的に『LAST COP THE MOVIE』(2017年)として劇場版が公開されるなど大きな反響を巻き起こした。

 30年ぶりに意識を取り戻した京極浩介(唐沢寿明)が若手刑事・望月亮太(窪田正孝)とバディを組む異色の刑事ドラマは、多すぎる爆発ネタや派手なワイヤーアクションとともに2人のかけ合いが見どころだった。「俺は不死身だ」、「刑事の勘」が口癖の京極に振り回される亮太の絶叫や、2人のコンビネーションは回を追うごとに冴えわたり、連続ドラマ最終回で警察署のシーンを生放送するまでに至った。

 足かけ3年にわたる共演を通じて、唐沢と窪田の間には強固な信頼関係が育まれたはずだ。劇中でも、京極の娘である結衣(佐々木希)が亮太と恋人になるなど疑似親子関係が生まれていたが、ついに『エール』で実の親子を演じることになった。

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「コラム」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる