『時をかける少女』追悼放送に寄せて 大林宣彦監督が作り手たちに与えた計り知れない影響

『時をかける少女』が後世に与えた影響

 最後に、大林監督の商業映画初監督作『HOUSE ハウス』を観て、大きな衝撃を受けた想い出を杉本氏は語る。

「アメリカの映画館で『HOUSE ハウス』を観たのですが、劇場全体が大爆笑に包まれる、幸せな映画体験だったことをはっきりと覚えています。現在の映画と比べても、びっくりするぐらい斬新な試みをされていて、映画ってこんなこともやっていいんだと思わせてくれた作品でした。異色という言葉では片付けられない、本当に規格外の作品です。映画は自由なものだと思うので、新しいことへの挑戦、実験精神をこれからの作り手たちにも感じてほしいなと思います。この機会に大林監督の凄さをぜひ体験してほしいです」

 フィルムからデジタルへと移り変わる中でも、誰よりも早くデジタルの新しさに着眼し、常に新しい試みを行い続けた大林監督。『時をかける少女』をはじめ、数々の作品でその魅力を振り返りながら、遺作『海辺の映画館―キネマの玉手箱』を劇場で観ることができる日を心待ちにしたい。

■放送情報
『時をかける少女』
4月18日(土)日本テレビにて、13:30〜1530放送 ※関東ローカル
監督:大林宣彦
出演:原田知世、高柳良一、尾美としのり、岸部一徳、根岸季衣、上原謙、入江たか子
脚本:剣持亘
原作:筒井康隆
音楽:松任谷正隆
(c)KADOKAWA 1983

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