『義母と娘のブルース』続編を期待せずにはいられない! 綾瀬はるかと上白石萌歌が再確認した絆
そんな中亜希子は「素質ではなく環境の問題ではないか」と川田に寄り添う。「私も専務が泣き止まなかった時に、このままこの状態がずっと続くかと思うと冗談ではないと思いました」と話し、「子育て中に他の人に少しでも抱っこをバトンタッチできるだけで、交代してくれる人がいるという事実だけで救われるものではないでしょうか」と続ける。時間をかけて親子になる歩み寄りを互いにし合った亜希子とみゆきの二人が語る言葉には説得力がある。また、亜希子の母親になるためのたゆまぬ努力を身近で見てきて知っているだけに、自ら我が子を手放してしまうようなことをした川田を特にみゆきは許せなかったのだろう。
ワンオペ育児「孤育て」の困難さを代弁する生の言葉の数々に、テレビの前で大きく首を縦に振った子育て世代のパパ・ママ、あるいはそんな先輩上司を職場で目の当たりにして自身が親になることを躊躇している人も多かったのではないだろうか。
そしてここで終わらないのがキャリアウーマン亜希子である。ゴルディック社の社長(武田鉄矢)に直談判しに行き、個人としてリブランディング案を提案したいと申し出る。子育て支援事業を取り入れることを進言し、見事採用される。
そんな矢先、ゴルディック社がファンドに買収されることになり、社長も交代することになるのだが、新社長は亡くなった旦那・宮本良一(竹野内豊)と瓜二つで……という場面で終了となり、また大いに続編のブルースを示唆させる内容となった。
亜希子がお得意の腹踊りで赤ん坊をあやそうとしたり、能天気極まりない麦田店長、幼なじみのヒロキ(井之脇海)とみゆきのほのぼのとした掛け合い、母娘ともに炸裂している天然ぶりなど安定のお馴染み要素も散りばめられており、連ドラファンには嬉しい既視感もありながらも、新たに投入されたフォルディック新社長(竹野内豊)との新ラウンドの幕開けに、次なる展開が気になり、はやる気持ちを抑えられないのもまた正直なところだ。
■佳香(かこ)
元出版社勤務。現在都内OL時々ライター業。三度の飯より映画・ドラマが好きで2018年の劇場鑑賞映画本数は96本。
■放送情報
『義母と娘のブルース 2020年謹賀新年スペシャル』
TBS系にて、2020年1月2日(木)21:00~放送
出演:綾瀬はるか、竹野内豊、佐藤健、上白石萌歌、井之脇海、横溝菜帆、武田鉄矢、橋本さとし、吉川愛、奥貫薫、谷口翔太、宇梶剛士、浅利陽介、浅野和之、麻生祐未
原作:桜沢鈴『義母と娘のブルース』(ぶんか社刊)
脚本:森下佳子
プロデュース:飯田和孝、中井芳彦、大形美佑葵
演出:平川雄一朗
製作著作:TBS
(c)TBS
公式サイト:https://www.tbs.co.jp/gibomusu_blues/