『グランメゾン東京』木村拓哉が寛一郎に示した“本物”を生み出す覚悟 味という絆で結ばれる料理人たち

『グランメゾン東京』木村拓哉が示した覚悟

 芹田の決死の告白に尾花たちは余裕の表情で返す。「一流のシェフはレシピが外に出ることを気にしない。自分がそれを一番美味しくできる自信があるから」と京野(沢村一樹)。料理人として味をもって教えるだけではなく一流の世界を見せる。「俺たちが本気で考えた料理を真似できるわけねえだろ」(尾花)、「真似できるもんならやってみろ」(倫子)。手加減も容赦もしないのは、芹田を本気で育てようとする意思以外の何ものでもない。「お前はどんな料理人になりたいんだ」と尾花に突き返されたエプロンを芹田はふたたび手に取る。

 自身のせいで店を窮地に陥れかねない状況で、普通なら「責任を取る」と言って消えるかもしれないが、芹田は正直にありのままを話して頭を下げた。ある意味で「わかりやすい」キャラクターとも言えるが、まっすぐに相手の懐に飛び込むことができる芹田の率直さを尾花は買ったのではないだろうか。

 「三ツ星狙うんなら自分で本物を生み出すしかない」と話す尾花は生活のほぼすべてを料理に捧げている。味という絆で結ばれるグランメゾン東京の料理人たちだが、そのことはgakuの2人も同じ。終盤で交わされた丹後と祥平の会話は料理人としての尾花のすごさを知るがゆえの決意であり、最高に魅力的なライバルが揃った。新メニューを携えて一流同士が火花を散らす「トップレストラン50」の行方は次週へ。手に汗握る展開が続く。

■石河コウヘイ
エンタメライター、「じっちゃんの名にかけて」。東京辺境で音楽やドラマについての文章を書いています。ブログtwitter

■放送情報
日曜劇場『グランメゾン東京』
TBS系にて、毎週日曜21:00~21:54
出演:木村拓哉、鈴木京香、玉森裕太(Kis-My-Ft2)、尾上菊之助、及川光博、 沢村一樹
脚本:黒岩勉
プロデュース:伊與田英徳、東仲恵吾
演出:塚原あゆ子ほか
製作著作:TBS
(c)TBS
公式サイト:https://www.tbs.co.jp/grandmaisontokyo/

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