『スカーレット』喜美子が恋煩いに気づく 浮かれた圭介の子どもっぽさも愛おしい

『スカーレット』喜美子は恋煩いに気づく

 喜美子(戸田恵梨香)がささやいた「イガクセイ(医学生)」の5文字は効果てきめんだった。『スカーレット』(NHK総合)第26話では、さっそく泉田あき子(佐津川愛美)が荒木荘をたずねてくる。今回は、チャウチャウ犬を連れていない本気モード。初回から積極的なあき子に圭介(溝端淳平)は完全に舞い上がってしまう。

 「喜美ちゃん、ありがとう!」と圭介に抱きしめられ、驚いて固まる喜美子だったが、荒木荘の人々のほうが先に喜美子の思いに気づく。女心に鈍感そうな圭介が喜美子を「かわいい妹」と言うように、仕事上の付き合いや恋愛対象を超えた“家族”に近い関係なのだろう。落ち込んでいる喜美子に優しく接するさだ(羽野晶紀)や雄太郎(木本武宏)もそうだが、特にちや子(水野美紀)は、長女の喜美子にとっては姉のような存在。喜美子とちや子の出会いは、部屋の仕切りを倒してしまうシーンから始まるが、今後さらに絆が深まっていくと予想される。

 「なに浮かれとんのや、このポンコツ」と圭介に毒づきながらも、「圭介さんが喜んでるとうちもうれしい」と喜美子。「それが恋や」とちや子に指摘されて、「恋っちゅうのはおもろいな」と明るい表情に。「腹立ったり、喜んだり、今までにない気持ち。悲しくもなります。寂しい気持ちにもなる」と話す。傷心よりも好奇心が先に立つところや、客観的に自分の気持ちを見つめることができるのは喜美子の長所。おはぎを作るのが上手だったり、こねる料理という点で共通するハンバーグの作り方を聞いているのは、陶芸の道に進む暗示も含まれているのだろうか。

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