木村拓哉は王道の「日曜劇場」をどう料理する? 『グランメゾン東京』に漂う“本物感”

木村拓哉は王道の“日曜劇場”をどう料理する?

王道の“日曜劇場”をどう料理する?


 華やかだった尾花の過去と、どん底に落ちるまでの経緯、さらには新たなパートナーとなる早見との出会いなど、尾花が料理人として再び歩き始めるまでの軌跡がギュッと詰め込まれた初回放送。

 ドラマのプロローグとも言える本話を経て、“挫折した主人公が再起し、ライバルに立ち向かう”というストーリーに突入していくわけだが、これはまさに“THE 日曜劇場”といえる展開。王道に王道を重ねる潔さすら感じるが、そのまま突っ走るだけではつまらない。

 この“王道の物語”にどんな味付けをして、「やっぱり、おもしろい」と我々を魅了し続けてくれるのか。これこそが、木村をはじめとするキャスト陣、さらにはヒット作を連発してきた脚本家・黒岩勉(『ストロベリーナイト』、映画『キングダム』)、演出家・塚原あゆ子(『アンナチュラル』、『中学聖日記』)らスタッフ陣の腕の見せどころであり、本作一番の見どころとなるはずだ。

何もかもに漂う“本物感”で物語に深み


 今作でシェフ役を演じる木村だが、そのコックコート姿に思い出されるのは、やはり『SMAP×SMAP』(フジテレビ系)内の “BISTRO SMAP”である。20年以上、同コーナーに出演してきた木村の腕は確かで、ドラマからもビシビシと伝わってくる“本物”の凄み。制作発表会見の際、沢村が「頭から最後まで作り方を覚えて現場に入ってきている」と木村の料理シーンの舞台裏を明かしていたが、その上、料理監修は三つ星レストラン「カンテサンス」の岸田周三シェフが手掛けるという徹底ぶり。

 さらに撮影は本場パリのみならず、フランス大使館でも行われ、実際のフランス警官がポリス役で出演しているといった驚きのエピソードも。料理から撮影現場まで、すべてに妥協しない“本物感”が、物語に深みをもたらしており、言わずもがな注目すべきポイントとなっている。

 プレッシャーに打ち勝つスター性と男気を携え、日本ドラマ界のトップを走り続ける木村拓哉。『グランメゾン東京』では、気負うことなく、それでいて自身のブランド力を遺憾なく発揮するという比類なき領域へ。そんな木村を筆頭に、丁寧に贅沢に仕上げられていく一皿。日曜夜のリラックスタイムに、堪能しない手はないだろう。

■nakamura omame
ライター。制作会社、WEBサイト編集部、専業主婦を経てフリーライターに。小学生男児2人の母。ママ向け&エンタメサイトを中心に執筆中。Twitter

■放送情報
日曜劇場『グランメゾン東京』
TBS系にて、10月20日(日)スタート 毎週日曜21:00~21:54
出演:木村拓哉、鈴木京香、玉森裕太(Kis-My-Ft2)、尾上菊之助、及川光博、 沢村一樹
脚本:黒岩勉
プロデュース:伊與田英徳、東仲恵吾
演出:塚原あゆ子ほか
製作著作:TBS
(c)TBS
公式サイト:https://www.tbs.co.jp/grandmaisontokyo/

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