木村拓哉は王道の「日曜劇場」をどう料理する? 『グランメゾン東京』に漂う“本物感”
木村拓哉主演の日曜劇場『グランメゾン東京』(TBS系)がいよいよ今夜、スタートする。木村が扮するのは型破りなフランス料理シェフ。“木村拓哉×日曜劇場”というだけで気分が上がる本作だが、先日行われた第一話特別試写会に参加した筆者が、その見どころを紹介していきたい。
木村演じる尾花夏樹は、料理に人生をかけ、フランス・パリに自分の店を持ち二つ星を獲得するも、とある重大事件によってその座を追われ、店も仲間もすべて失ってしまう。そんな尾花が、女性シェフ・早見倫子(鈴木京香)との出会いを機に、もう一度シェフとして生き直そうと決意。周囲と衝突しながらも、世界最高の三つ星レストラン「グランメゾン東京」を作り上げようと奮闘する姿を描く。
随所に感じられる大人の余裕に心酔
木村主演の日曜劇場といえば、2000年に放送された『ビューティフルライフ』をはじめ、『GOOD LUCK!!』(2003年)、『華麗なる一族』(2007年)、最近では2017年の『A LIFE〜愛しき人〜』など、とにかく話題作ばかり。ゆえに『グランメゾン東京』への期待も必然的に高まるわけだが、先日ハイアット リージェンシーで行われた特別試写会&制作発表会見で木村が見せたのは、現場を楽しむ柔らかな表情だった。
共演は、鈴木京香、沢村一樹、及川光博、尾上菊之助という抜群の安定感を誇る役者たち。さらには事務所の後輩・Kis-My-Ft2の玉森裕太という確かな演技力を持つフレッシュさを加え、盤石の布陣といったところ。試写会当日は、集まった観客にミシュラン三つ星の「メゾン・トロワグロ」が手掛けたオリジナルマカロンを振る舞うなど、おもてなし精神がきらりと光った。
そんな“大人の余裕”は、劇中でも随所に感じられる。及川が「大人の青春ドラマになっています」とアピールしていたように、年を重ねた大人たちが再び夢を目指して走り出すという物語には刺々しさがない。笑いから涙まで振り幅は自在だが、そこにある一貫した余裕に、自然と身を委ねたくなるような第一話だった。