『なつぞら』なつと泰樹の師弟関係が復活! 柴田家のチームプレーに感じる、これまでの積み重ね
『大草原の少女ソラ』が完結し、千遥(清原果耶)たちを連れて十勝にやってきたなつ(広瀬すず)。『なつぞら』(NHK総合)第155話では、剛男(藤木直人)と照男(清原翔)が、新設備パイプラインミルカーを牛舎に導入することを話し合っている。
「じいちゃんは俺に任せると言ってくれた。じいちゃんの牧場を十勝一、日本一にするのが役目だ」と語る照男。泰樹(草刈正雄)から受け継いだ柴田牧場の責任者としての風格が出ている。しかしその晩、十勝は嵐に見舞われ落雷により停電してしまう。停電ということはミルカーも使えなくなり、搾乳ができなくなってしまう。牧場を拡大してから、未曾有の危機に照男は焦る。なんとか発電機を借りようとするもうまくいかない。そこで、血相を変えて飛び起きた泰樹が「牛を待たすな。手で搾れ!」と鶴の一声を入れるのだ。
柴田家は、総出で搾乳を始める。「なつ、ついてこい」と声を掛ける泰樹と、「はい」という一言で阿吽の呼吸を見せるなつ。懐かしの師弟関係復活の瞬間に、ニヤリとしてしまうのは私だけだろうか。小さい頃は牛乳嫌いで牛舎に寄り付くこともなかった夕見子(福地桃子)は、母・富士子(松嶋菜々子)に教わり初搾乳にチャレンジ。「私にも才能あるんでねえの」と笑みをこぼした。
照男は、地平(小林颯)を連れてアイスクリーム屋を壊し、少しでも牛乳を残せるように水槽を拡張。悠吉さん(小林隆)も駆けつけた。坂場(中川大志)もドジながら自分のできることを探し懸命に手伝う。『なつぞら』という作品は、これまで各キャラクターの掘り下げを徹底的に行ってきた。それらのキャラクターたちが一堂に会し、チームプレーで物事に対処する展開は、屈指のドライブ感を生む。各キャラクターの一挙手一投足にここまで積み上げた全154話の重みが詰まっているのだ。