『ノーサイド・ゲーム』元日本代表・廣瀬俊朗演じる浜畑は陰の主人公? ドラマと現実がシンクロ

『ノーサイド・ゲーム』浜畑は陰の主人公?

 第8話で、フェアプレーに徹する浜畑の姿に心を打たれた人物がもう一人いた。これまでの放送でも小出しに登場していたが、カザマ商事が開発を進めるゴルフ場「府中グリーンカントリークラブ」の社員・青野(濱津隆之)である。燃料商社のカザマ商事が関わる、ある重大な疑惑を巡るキーパーソンが青野だった。常務の滝川(上川隆也)主導のもと、カザマ商事の買収を進めるトキワ自動車だったが、その矢先、過去に起きたタンカー座礁事故の原因が、カザマ商事のバンカーオイルにあるという情報を君嶋(大泉洋)はつかむ。関係者から事情を聞き出す中で次々と新事実が明らかになっていく。

 事故調査とゴルフ場建設への反対運動、亡き妻との思い出、そして、怪我を負ってラグビーをあきらめた過去。点と点がつながり、急転直下、君嶋はトキワ自動車を守るために動き出す。予告映像で流れた「懸命に戦っている彼らから未来を奪わないでほしい」という君嶋のセリフが誰に向けられたものだったか明らかにされ、ドラマ終盤に向けて伏線が回収された。 

 「ただ勝つだけでなく、正々堂々と戦って勝つ。それがアストロズのラグビーなんです」(君嶋)。なんという愚直さかと驚くが、今作を見ると、ひとつくらい、そんな世界があってもいいんじゃないかとも思う。誇りを持って生きることの意味を問いかける『ノーサイド・ゲーム』。はたして、アストロズと君嶋は未来を手繰り寄せることができるのだろうか?

■石河コウヘイ
エンタメライター、「じっちゃんの名にかけて」。東京辺境で音楽やドラマについての文章を書いています。ブログtwitter

■放送情報
日曜劇場『ノーサイド・ゲーム』
TBS系にて、7月7日(日)スタート 毎週日曜21:00〜21:54放送
出演:大泉洋、松たか子、高橋光臣、笹本玲奈、天野義久、廣瀬俊朗、齊藤祐也、林家たま平、コージ(ブリリアン)、佳久創、村田琳、笠原ゴーフォワード、大谷亮平、中村芝翫、上川隆也
原作:池井戸潤『ノーサイド』
脚本:丑尾健太郎ほか
演出:福澤克雄ほか
プロデューサー:伊與田英徳ほか
製作著作:TBS
(c)TBS

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