『Heaven?』志尊淳×小関裕太×柾木玲弥のテニミュ俳優が集結! ユーモラスな演出にも注目
第3話で致命的なミスをしてしまい、「ロワン・ディシー」を大混乱に陥れた川合(志尊淳)。一向に接客技術がままならないどころか、ミスを連発する彼の姿から幕を開けた6日放送のTBS系列火曜ドラマ『Heaven?〜ご苦楽レストラン〜』第5話。登場人物ひとりひとりにフォーカスが当てられてきた流れに即し、今回は川合の物語となったわけだが、これまでのように過去を掘り下げるのではなく、あくまでも彼の現在を見つめ続けていた点は興味深いところといえるだろう。
相変わらずの根拠なき自信(そして“ミステリーの女王”としての推理力)で、覆面取材の雑誌に「ロワン・ディシー」が紹介されるに違いないと豪語する仮名子(石原さとみ)。しかし覆面記者だと思っていた客は、実は英代(内田慈)の紹介で職探しにやってきただけであり、しかも接客がダメすぎることを指摘されてしまう。悔しさを覚えた仮名子は、川合に接客のノウハウを一から叩き込むために、伊賀(福士蒼汰)に教育を一任する。しかし何度やってもうまくならない川合にさらに苛立つ仮名子。そんなタイミングで、店で働きたいという青年・峰(小関裕太)がやってくるのだ。
川合をクビにして峰を採用するという仮名子の指示に、頭を悩ませる伊賀。「完璧じゃなくていいけど、最低限仕事ができなきゃだめ」という仮名子の言葉は正論である一方で、それに対して伊賀が言う「きっと彼にしかできないことがある」というのも決して間違った意見ではない。そしてそれと同時に、仕事がうまくできなくて失敗つづきでも、川合は楽しんで仕事をしていることを知った伊賀。“できない従業員”をどのように教育していくかという今回のテーマは、保守的ながらも合理的な価値観と進歩的で現代的な価値観のせめぎ合いを描き出すものであっただけに、もっと深掘りされてもよかったと見える(そういったファクターをあえてさらりと躱すようにして小ざっぱりとまとめる点が、このドラマがコメディとして弾けきれていない弱点なのかもしれない)。