山崎賢人×松岡茉優×行定勲監督、又吉直樹原作『劇場』映画化決定 山崎「とても挑戦的な作品」
山崎賢人主演で又吉直樹の恋愛小説『劇場』が映画化され、2020年に公開されることが決定した。
本作は、劇作家を目指す主人公・永田と、彼に恋をし必死に支えようとする沙希の、生涯忘れることができない7年間の恋を描いた又吉の恋愛小説『劇場』を映画化するもの。『世界の中心で、愛をさけぶ』『ナラタージュ』の行定勲監督がメガホンを取る。脚本は、2009年『まほろば』で第53回岸田國士戯曲賞を受賞し、行定監督とは『ピンクとグレー』に続いてのタッグとなる蓬莱竜太が担当する。
主演の山崎は、演劇に身も心も捧げながら、実生活では社会や周囲の人々とうまく協調できない不器用な青年・永田を演じる。山崎は、撮影前に何度も監督とエチュードを重ね役を作り上げ、人生初のひげを生やしたという。また、葛藤や迷いを抱えながらも、純粋に彼を愛そうとする健気なヒロイン・沙希を松岡茉優が演じる。
中学からの友人と立ち上げた劇団「おろか」で脚本家兼演出家を担う永田。しかし、前衛的な作風は上映ごとに酷評され、客足も伸びない。劇団員と永田の関係も悪く、永田は言いようのない孤独を感じていた。そんなある日、永田は街で、自分と同じスニーカーを履いている沙希を見かけ声をかける。突然の出来事に沙希は戸惑うが、様子がおかしい永田が放っておけなく一緒に喫茶店に入る。女優になる夢を抱き上京し、服飾の大学に通っている学生・沙希と永田の恋はこうして始まった。沙希は自分の夢を重ねるように永田を応援し続け、永田は自分を理解してくれ支えてくれる沙希を大切に思いつつも、理想と現実と間を埋めるようにますます演劇に没頭していくが……。
撮影は6月初旬から始まり、演劇の聖地・下北沢を中心に都内で行われている。山崎、松岡、行定監督、又吉からはコメントが寄せられている。
コメント一覧
山崎賢人
初めて本を読んだ時、人としてダメな部分ばかりですが、表現者としてとても共感できる弱さを見せる永田をすごく魅力的だと感じました。
自分にとってとても挑戦的な作品でしたが、以前からご一緒したかった行定監督のもと、今しか出せない自分のものを全部出せているのではないかと感じています。
撮影を通して、とても魅力的な原作にさらに映画としての魅力を盛り込んだ作品になるのではないかと思っています。
松岡茉優
沙希役の松岡茉優です。
同い年の山崎賢人君とは実は昔共演しているのですが、直接一緒にお芝居するのは初めてです。
永田と沙希について、撮影中何度も2人で話し合いました。
2人とも脚本に心底惚れており、意見が違ったことはありませんでした。
とても繊細な本で、私たちの演じ方が変わってしまうと、話の到着すら変わってしまいそうで。
行定勲監督が若い私たちを導いてくれました。
全国の恋する、愛する、はたまた情で離れられなかったり、何かのきっかけを失っているパートナー達が救われる映画になると思います。
完成を楽しみにしていてください。
行定勲監督
小説『劇場』はあまりにも身に覚えがある場面ばかりで胸をかきむしるような想いで読んだ。
私は又吉さんが書いた主人公がまとう空気をどうしても撮りたくなった。
ザラザラとした、夜が明ける頃に感じる切なくて淋しい空気を。
下北沢、渋谷、井の頭公園、そこかしこで錆つきそうな青春が吹き溜まっている。
山崎賢人と松岡茉優という稀代の若く鋭い感性と共に、自戒を込めてどうしようもない男と女の在り方を映画として映し出せたらと思います。
又吉直樹
『劇場』という小説は、恋愛というものの構造がほとんど理解できていない人間が書いた恋愛小説です。
恋愛小説と呼べるものになっているかすらもわかりません。ただ、若くて未熟な二人がともに過ごしたどうしようもない時間を必死で書いているうちに、作家のわずかな能力を超えて濃密な風景が幸運にも立ち上がったと感じています。
ちょっと表現まわりくどいですか? 「こいつなに一丁前に作家ぶっとんねん」と思いました?
でも、本心なんです。それくらい自分にとって、大事な作品です。
信頼している行定勲監督、そして山崎賢人さん、松岡茉優さんをはじめ、魅力的な俳優陣によって映像になることを嬉しく思っています。
普通、原作者はシンプルな言葉で感謝を綴るくらいが丁度いいと思うのですが、思わず長文になってしまい恥ずかしいです。そして、言い訳しているせいで、より長くなってしまいました。すみません。
絶対観に行きます!
※山崎賢人の「崎」は「たつさき」が正式表記
■公開情報
『劇場』
2020年、全国ロードショー
出演:山崎賢人、松岡茉優
監督:行定勲
原作:又吉直樹『劇場』(新潮社)
脚本:蓬莱竜太
配給:松竹=アニプレックス
公式サイト:https://gekijyou-movie.com/