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雪次郎の挫折、麻子の戸惑い 『なつぞら』が描く、夢を追う者たちの苦しみ

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 グリム童話『ヘンゼルとグレーテル』を原案にした短編映画のストーリーラインがようやく固まった。監督を務める坂場(中川大志)は、早速、新人動画マン・神地(染谷将太)とともに絵コンテに取り掛かろうとする。新人だろうが、使えるものは使うという坂場の姿勢に納得が行かない麻子(貫地谷しほり)。坂場の作り方は今までの漫画映画の制作環境とは大きく外れた突拍子もない姿勢が続いている。

 一方で、咲太郎(岡田将生)が立ち上げた声優プロダクションの一同も、吹替の仕事に動き出していた。今回の仕事は、『拳銃渡世人』という1話30分の西部劇。主演は『白蛇姫』の際、蘭子(鈴木杏樹)とともに主役を務めた元・活弁士の豊富遊声(山寺宏一)が務める。

 吹替の現場は、声と同時に効果音やBGMも録音し、間違えたら初めからやり直しという過酷な現場だ。今ではデジタルで後から切り貼りといった作り方が当たり前となっているが、当時の作り手たちにかかるプレッシャーは生半可なものではなかったことが予想される。

 早速、雪次郎(山田裕貴)たちは暗礁に乗り上げる。島貫(岩谷健司)は口の動きとセリフを合わせる気がまるでなく、雪次郎は北海道なまりを指摘され、リテイクは7回にも及ぶ。

 そして何度やっても訛りが抜けない雪次郎はついに役を降ろされてしまう。雪次郎にとって、芝居という世界で初めての挫折を味わうこととなった。第13週で、ようやく雪之助(安田顕)を説き伏せて踏み出した芝居の世界。やっと手に入れた夢の世界でこのままで終わることはないだろう。

 また、雪次郎の口を隠し、1人2役を即興でやってのける大立ち回りは、山寺がキャスティングされた大きな理由のひとつだろう。七色の声を使いこなす声優のレジェンドが声優の草分けを演じる。今後の登場も楽しみだ。

      

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