清原果耶が語る、『なつぞら』で演じた千遥の気持ち 「会いに行くのはすごく度胸がいること」

清原果耶が明かす、千遥の行動の真意

「純粋に楽しいという気持ちを実感」


ーー広瀬さんや岡田さんのいる現場の雰囲気はどうでしたか。

清原:お二人には会わないようにスタッフの皆さんが配慮してくださったんです。やっぱり撮影の裏だとしても会ってしまったらそのシーンの臨場感やリアリティのようなものが薄れてしまうんじゃないかなと思ったので。実際にも広瀬さんと岡田さんにはお会いしていません。

ーー清原さんがそこまで役作りに徹底できるようになったのは、なにかきっかけがあったのでしょうか。

清原:デビュー作となった『あさが来た』(NHK総合)で役の作り方を知ったというのはやはり大きいですね。今まで経験させていただいた作品ごとに役の作り方は異なるんですが、今回は色んなスタッフの皆さんの協力があってこういう徹底した丁寧な役の作り方をさせていただけました。

ーー『あさが来た』当時のことで印象に残っていることは?

清原:「ええな、恋文」っていう台詞で、恋文を羨ましいなと思うシーンがあったんですけど、そこで変な顔をしてしまってうまく笑えなくて、何回か撮り直した思い出が残ってます(笑)。笑うこと一つをとっても色んな感情があることを分からないまま、お芝居をして……いや、お芝居もできてなかったかもしれません。あとは三宅弘城さんとの大事なシーンの数日前に、休日なのに三宅さんとスタッフさんが私のためにお芝居の稽古をつけてくださったことがありました。朝ドラの撮影がずっと続いている大変な中で、三宅さんもスタッフさんも貴重なお休みを返上してそのシーンを作り上げるために使ってくださって。今思えば本当に申し訳なくなるぐらいありがたい経験でした。

ーーそういった経験で今生かされているなと感じる部分はありますか。

清原:ちゃんと本を読み込む大切さや、自分の中で理解して体に落とし込むということができていないと、役として作品に馴染めないということはその時にすごく理解しました。だから今は丁寧に作品を作るために自分なりにどうすればいいか考えられるようはなってきたんじゃないかなと思います。それと、純粋に現場を楽しむことはできていると思います。『あさが来た』の時は全部初めての経験だったので、驚くことばかりで自分が楽しむということは後回しになってしまっていて。今は現場に入る時はもちろん、役作りの時から純粋に楽しいという気持ちを実感しています。

ーー14週以降、どうなるかわからない展開が続くと思うのですが、清原さん自身としては、こういう展開になってくれたらいいなというものはありますか。

清原:どんな展開であっても脚本家さんや監督の意向に沿って1番いいお芝居をしていきたいです。

(取材・文=大和田茉椰/写真=伊藤惇)

ヘアメイク:FACCIA 面下伸一
スタイリスト:ISON KAWADA(IMPANNATORE INC.)
刺繍ワンピースドレス  ニアー ニッポン 0422-72-2279 31,000円

■放送情報
連続テレビ小説『なつぞら』
4月1日(月)〜全156回
作:大森寿美男
語り:内村光良
出演:広瀬すず、松嶋菜々子、藤木直人、岡田将生、小林隆、音尾琢真、北乃きい、清原翔、福地桃子、平尾菜々花、草刈正雄 ほか
制作統括:磯智明、福岡利武
演出:木村隆文、田中正、渡辺哲也ほか
写真提供=NHK
公式サイト:https://www.nhk.or.jp/natsuzora/

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