山田裕貴×齋藤飛鳥が振り返る、『あの頃、君を追いかけた』をとおして得たものと変化したこと
山田「セリフを喋っていない時の飛鳥ちゃんの表情がすごくいい」
ーー映画公開後、嬉しかった反応はありましたか?
山田:俳優仲間がかなり観てくれたのが大きかったですね。菅田(将暉)くんは、2018年の面白かった映画3本のうちの1本に入れてくれていましたから。
齋藤:へぇー! すごい。
山田:番組で言っていたらしくて。ファンの方が教えてくれたんですけど(笑)。同じ役者仲間がそういう評価をしてくれたのはすごく嬉しかったですね。それに、僕がどうとかではなくて、「“あの7人”がいいよね」と言ってくれる人が多かったんです。勘じゃないですけど、僕たち7人の空気感がそのまま映画に出たらよくなるんじゃないかなとなんとなく思っていて、僕自身も意識していたことだったので、そう思っていただける人がたくさんいたのは本当によかったです。
ーーギデンズ・コー監督による台湾オリジナル版のファンにも高評価だった印象です。
山田:あぁ、そうですね! 日本の監督さんの中にもオリジナル版のファンの方々が多くて、日本版リメイクが決まった時に「え、お前がやるの!?」みたいな声を結構いただいたんですよ(笑)。でも、公開後に「実際に観たらめっちゃよかった!」と言っていただいたりして。僕もオリジナル版は本当に面白いなと思っていたので、この作品では、何か違った形で日本ならではの良さを出せたらいいなと思っていました。
ーー今回ソフト化されるということで、劇場とはまた違った楽しみ方もできそうですね。
山田:セリフを喋っていない時の飛鳥ちゃんの表情がすごくいいんですよ。ふとした瞬間のふとした表情を切り取った画がすごくよかったりするので、そういう細かいところを是非チェックしてほしいですね。「あ、ここはこんな顔してたんだ!」みたいな、新たな発見をしていただきたいです。劇場だとそのまま時間が流れてしまいますけど、Blu-rayやDVDだったら止めて観ることができるので(笑)。
齋藤:私はコメンタリーを収録していた時に思ったんですけど、人よりも、後ろで動いているものだったり背景にある小道具だったりに目が行きました。例えば学校のシーンだったら、貼ってあるポスターだったり、黒板の落書きだったり……。私自身も現場ではあまり見れていなかったようなことも見れてまた新鮮な気持ちになりましたし、劇場ではどうしても人に目が行きがちになると思うので、そういう細かいところにも注目していただけたらと思います。
ーーこの作品が初共演となりましたが、お互いのイメージに何か変化はありましたか?
山田:最初はクールで大人しそうなイメージを持っていたので、うまく喋れるか心配だったんですよ。それこそ僕は嫌がられるタイプじゃないかとすごく気にしていたんです。でも、めげずに接していたら、しっかりと心を開いてくれたので……いや、実際のところ本人がどう思ってるのかはわからないですけど(笑)。
齋藤:(笑)。
山田:撮影でお芝居をやっていく中でも、作品に対する思いが垣間見える瞬間が何回もあったので、意外にも熱い人だということを知って、「あ~よかった」と思いました(笑)。しっかり温度がある“人間”なんだなって。最初は宇宙人っぽいというか……。
齋藤:えっ……宇宙人……!?
山田:いや、思考が結構飛び抜けていて、人より物事を考えているように見えるのよ。一緒に取材を受けていても、「あまり人に期待しすぎないことを大切にしてる」とか言っていて。「そんな言葉、20歳で出てくる!?」って(笑)。
齋藤:(笑)。
山田:でもそこが飛鳥ちゃんの良さだと思います。
齋藤:ありがとうございます。私も最初は絶対に苦手なタイプだと思っていたんですけど、そうではなかったなと。
山田:よかったわー。これで最後まで嫌な人だったら、もう最悪だよね(笑)。