『ベン・イズ・バック』ピーター・ヘッジズ監督が語る、自身の息子ルーカスと築けた新しい関係性

『ベン・イズ・バック』監督が語る

「ルーカスと新しい関係を築くことができた」

ーールーカスとは本作についてどのような話し合いをしましたか? 監督をする上で、父親であることが功を奏したこと、一方でそれがハードルになったことがあれば教えてください。

ヘッジズ:非常にナーバスな部分があって、息子を失望させてしまうのではないかと思っていました。彼はこの若さで錚々たるキャリアを築いていて、それこそ『マンチェスター・バイ・ザ・シー』に始まり、『レディ・バード』『スリー・ビルボード』『ムーンライズ・キングダム』から『グランド・ブダペスト・ホテル』まで、いろんな素晴らしい名監督たちと素晴らしい作品でキャリアを培ってきて、今の彼が欲しているようなふさわしい映画撮影の体験というものを、私の力では与えられないのではないかと自信がなかったんです。いざ撮り始めてみて一つよかったなと思う部分は、彼とこれまでに体験したことのなかった新しい関係を築くことができた点かと思います。自分にとっても新鮮でしたし、父親と息子という関係ではなく、いわゆる仕事仲間という関係でした。撮影中も彼はあえて私のことを「お父さん」とは呼ばずに、「ピーター」とファーストネームで呼んでいましたし、私も彼を自分の映画のキャストの1人として距離を置いて、あまり一緒に居たりつるんだりということはしませんでした。ジュリアとは会った瞬間から意気投合して素晴らしい関係を築いていましたけれどね。いろんな意味で、この脚本は自分にとってもともと特別な一作だったのですが、自分の息子を迎えて一緒に映画を作れたことで、より特別な一本になりました。

(取材・文=宮川翔)

■公開情報
『ベン・イズ・バック』
TOHOシネマズ シャンテほかにて公開中
監督・製作・脚本:ピーター・ヘッジズ
出演:ジュリア・ロバーツ、ルーカス・ヘッジズ、キャスリン・ニュートン、コートニー・B・ヴァンス
提供:カルチュア・パブリッシャーズ、東宝東和、テレビ東京
配給:東和ピクチャーズ
(c)2018- BBP WEST BIB, LLC
公式サイト:benisback.jp

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