池田エライザ、今田美桜、橋本環奈……平成/令和を駆け抜ける福岡出身女優の台頭

福岡出身女優が熱い!

橋本環奈

(c)原泰久/集英社 (c)2019映画「キングダム」製作委員会

 そして橋本環奈といえば、地元・福岡でアイドル活動をしていた中学生時代に撮られた“奇跡の一枚”の写真が世に広まり、“千年に一人の逸材”などとしてまたたく間に世間に知られるようになった存在だ。その後も福岡を拠点としながら『暗殺教室』(2015-2016)シリーズや、『セーラー服と機関銃-卒業-』(2016)に出演。後者では、薬師丸ひろ子、原田知世、長澤まさみらが演じてきた正統派ヒロインの華形である星泉役に大抜擢。拠点を東京に移してからはさらに活動がアクティブとなり、『ハルチカ』(2017年)や『銀魂』(2017-2018)シリーズなどで次々にヒロインとして起用されている。

 その中でも、『斉木楠雄のΨ難』(2017)や『今日から俺は!!』(2018/日本テレビ系)などの福田雄一作品のヒロインとして重宝され、コミカルに振り切れた演技でポテンシャルの高さを証明し、独自の路線を開拓してきた。女優業のみならず、いくつかのバラエティ番組などに出演してきたことからも、彼女自身の根にあるキャラクター性が大きな強みであることがよく分かるだろう。しかし同時に彼女は、演じる役以上に、“橋本環奈というキャラクター”がウケている印象があまりにも強い。今後の女優人生の弊害にならないか少々心配ではあるが、それは杞憂に終わるだろうか。まだ20歳とあって、その可能性は無限大である。

 アイドルやモデル、ミュージシャン……さまざまな出自を持つ者たちが、それらを個性として羽ばたいてゆく女優の世界。ここに挙げた三人もまた、それぞれの武器となる才能を持っているわけだが、そのルーツをたどれば、九州の中心都市であり、さまざまなカルチャーの醸成を担っている福岡の出身ということも、ひょっとするとあるのかもしれない。

■折田侑駿
映画ライター。1990年生まれ。オムニバス長編映画『スクラップスクラッパー』などに役者として出演。最も好きな監督は、増村保造。Twitter

■公開情報
『貞子』
5月24日(金)全国公開
出演:池田エライザ、塚本高史、清水尋也、姫嶋ひめか、桐山漣、ともさかりえ
原作:鈴木光司『タイド』(角川ホラー文庫刊)
監督:中田秀夫
脚本:杉原憲明
配給:KADOKAWA
(c)2019「貞子」製作委員会
公式サイト:sadako-movie.jp
貞子公式Twitter:@sadako3d

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「アクター分析」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる