挑戦的な「よるドラ」枠、次は“腐女子”をどう描く? 青春ドラマ『腐女子、うっかりゲイに告(コク)る。』に注目

「よるドラ」は“腐女子”をどう描く?

 土曜夜11時30分から、新作ドラマ『腐女子うっかり、ゲイに告(コク)る。』が放送される。筆者は先日、試写で第一話を拝見したのだが、みずみずしい青春ドラマに仕上がっていると感じた。

 主人公はゲイであることを隠している高校生・安藤純(金子大地)。ある日、純は本屋のレジで同級生の三浦紗枝(藤野涼子)が、男性同士の恋愛を描いたBL(ボーイズラブ)マンガを買っている姿を目撃してしまう。「腐女子バレ」を恐れた三浦は、誰にも言わないでと、純に頼む。

 物語は純の視点で進んでいく。純にはマコト(谷原章介)というゲイのパートナーがいるが、マコトは妻子も子供もいてゲイであることを隠して日常生活を送っている。同級生の高岡亮平(小越勇輝)とは幼なじみだが、ゲイであることは隠している。

 三浦とはBLグッズの買い物に付き合ったことをきっかけに仲が良くなるが、彼女はファンタジーとしてのBLは楽しんでも、同じクラスにゲイの男の子がいるということは想像できない。そんな三浦と純のすれ違いながら近づいていく感情が、第一話では描かれた。

 原作は小説投稿サイト・カクヨムに掲載されたものを2018年に書籍化した浅原ナオトの小説『彼女が好きなものはホモであって僕ではない』(KADOKAWA)。脚本は劇団ロロの三浦直之。昨年は『デートまで』、『それでも告白するみどりちゃん』といったインスタグラムのストーリー機能にて配信された縦長の画角を活かしたドラマ(現在はYouTubeで公開されている)や、伊藤万理華が主演を務めた単発ドラマ『ガールはフレンド』(TOKYO MX)等を手がけている。どの作品も短編ながら、見応えのある若い作品だった。

 『腐女子~』をみて感心したのも、若者の繊細な感情を、実に丁寧に描いていたことだ。同時に感じたのは、台詞とモノローグの繋がり方がとても心地良いということ。劇中では純がいつも聴いているクイーンの曲がかかるのだが、台詞、モノローグ、劇伴がシームレスにつながっていて、言葉がダイレクトに届く作りとなっていた。

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