『なつぞら』草刈正雄が明かす、真田昌幸と柴田泰樹の共通点 「器の大きい男を演じるのは楽しい」
泰樹からなつへと受け継がれる“開拓魂”
ーー北海道の大自然も本作の大きな魅力のひとつとなっています。
草刈:北海道ロケは昔から大好きです。宿からロケ地まで3時間ほどかかるんですが、広大な景色を見ているだけで全然飽きない。地元の方々が牛乳やチーズの差し入れをくださるのですが、これがとんでもなく美味しいんです。第1週はアイスクリーム、第2週ではじゃがバターを食べるシーンがありましたが、これからも“美味しいシーン”があるので注目していただければ。
ーー馬や牛との触れ合いはいかがでしたか。
草刈:馬に乗るシーンは男の子だから楽しんでやれるんだけど、搾乳が大変でした。(広瀬)すずちゃんは非常にうまいんだけど、男性陣はうまくいかなったですね。実際に酪農を営んでいる方々からいろいろと助けていただきました。泰樹を演じる上でも酪農家の皆さんと触れ合えたことは、非常に大きかったです。
ーー泰樹は本作のテーマでもある“開拓者”の体現者でもあります。
草刈:現場に入る前に北海道開拓者の代表である依田勉三さんのドキュメンタリーを偶然拝見しました。決意を胸に北海道に訪れてもほとんどの人が国に帰ってしまう中、依田さんの一団は粘り強く開墾を続け、礎を築きました。これはとんでもなく大変なことだなと。僕も、依田さんと同じように絶対に諦めないという精神を心に置きながら演じています。今後、なつが東京に出てアニメーターとなっていきますが、泰樹から受け継いだ“開拓魂”が大きな拠り所となります。セリフで直接的に言うわけではないのですが、なつとのシーンの中でそれが自然に感じてもらえればと思います。
ーーなつを演じる広瀬さんの印象は?
草刈:本当にプロフェッショナルです。出ずっぱりでセリフを覚えるのも大変だと思うんですが、いつ見ても平気な顔をしているんです。すずちゃんの根性はすごい。だから演じていても安心しますし、彼女がヒロインで良かったなと思っています。
ーー泰樹としてなつが東京に行ってしまう寂しさは?
草刈:なつに男ができたかどうかを確認したり、東京に行ってもずっと心配していたり、すごく人間臭いところが泰樹にはあります。これからなつとの別れもやってきますが、すごくいいセリフ、シーンを大森さんが書いてくれました。楽しみにしていただければと思います。
ーーここまでの撮影を終えて『なつぞら』の手応えは?
草刈:これからの展開がまた面白いんです。なつが東京に行ってからは出番がないかなと思ったら、ちょこちょこ顔を出すので(笑)。まだ最後までどうなるかわからないので、僕自身も楽しみです。
(取材・文=石井達也)
■放送情報
連続テレビ小説『なつぞら』
4月1日(月)〜全156回
作:大森寿美男
語り:内村光良
出演:広瀬すず、松嶋菜々子、藤木直人/岡田将生、吉沢亮/安田顕、音尾琢真/小林綾子、高畑淳子、草刈正雄ほか
制作統括:磯智明、福岡利武
演出:木村隆文、田中正、渡辺哲也ほか
写真提供=NHK
公式サイト:https://www.nhk.or.jp/natsuzora/