「週末映画館でこれ観よう!」今週の編集部オススメ映画は『グリーンブック』

編集部の週末オススメ映画『グリーンブック』

 リアルサウンド映画部の編集スタッフが週替りでお届けする「週末映画館でこれ観よう!」。毎週末にオススメ映画・特集上映をご紹介。今週は、リアルサウンド映画部・韓国研修旅行補佐の大和田が『グリーンブック』をオススメします。

『グリーンブック』

 本日はファーストデイということで、どの映画館も満員なのかなと思います。先日、第91回アカデミー賞が発表され、その後に劇場に向かった『女王陛下のお気に入り』(脚本賞、オリヴィア・コールマンが主演女優賞を受賞)はソールドアウト状態でした。アカデミー賞効果はやっぱりすごいなと驚きつつ、最も動員に影響を受けそうな作品賞に輝いた『グリーンブック』が本日公開されました。

 劇中で描かれる1962年、アメリカ南部ではまだ黒人に対する人種差別が合法だった時代です。ジム・クロウ法により、各州で、公立学校や公衆トイレ、バスや電車、レストラン、ホテルなどが白人用と黒人用に分けられていて、誤って黒人がお店(白人用と看板を掲げていないお店がほとんど)に足を踏み入れると、罵倒され、暴力を振るわれることもあったといいます。そこで作られたのが「The Negro Motorist Green Book(黒人ドライバーのためのグリーン・ブック)」。黒人旅行者にサービスを提供するホテルやガソリンスタンドなどを示したもので、この時代の黒人旅行のための必需品でした。黒人ピアニストであるシャーリー(マハーシャラ・アリ)の運転手としてスカウトされたトニー(ヴィゴ・モーテンセン)は、この「グリーン・ブック」を手渡され、2人で南部での演奏ツアーに出発します。

 2人の旅は、素敵な音楽を奏でる演奏会シーンを挟みながら、テンポよく続いていきます。が、旅にはハプニングはつきもの。洋服屋さんや演奏会場のレストラン、さらには道の上を走る車に乗っているだけで、彼らは理不尽な人種差別に直面していきます。その一方で、それらの事件により、黒人に偏見を持つ親族の間で育ち、無意識に黒人への差別的な行動が染み付いていたトニーの価値観が変わっていきます。

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