野村周平が選択する幸せの道とは? 『僕の初恋をキミに捧ぐ』交錯する複雑な思い

『僕キミ』野村周平が選ぶ幸せの道 

 逞を演じる野村は、そんな逞にかかる重圧を受け止められる強さを持っている。逞という役は演じ方次第で表現に広がりのある役だろう。繊細で無理をしてしまいがちな逞、ひょうきんで人を傷つけない逞など、同じキャラクターでも演じ方で大きく変化する。母の想い、繭の想い、昴の想い。それぞれの思い描く逞の幸せを押し付けているような場面も見られたが、それを窮屈に思わず、どっしり笑顔で受け止められる器の大きさを、逞は持っている。野村の、意志の強さとひょうきんに見せて人を傷つけないように振る舞う器用さが、役に反映されているように感じた。

 いよいよ次週で最終回。繭と逞はもちろん、逞の母、昴、優実、律。どのように振る舞うのか注目したいキャラクターが大勢だ。繭と逞が幸せになって欲しいという気持ちはみんなが持っているだろう。しかし、繭と逞だけでなく、逞の家族や繭の家族、昴たちもそれぞれが納得のいく結末に落ち着いて欲しい。逞を支えるだけのキャラクターではなく、視点を変えれば彼らもまた彼らの人生の主人公だ。

■Nana Numoto
日本大学芸術学部映画学科卒。映画・ファッション系ライター。映像の美術等も手がける。批評同人誌『ヱクリヲ』などに寄稿。Twitter

■放送情報
『僕の初恋をキミに捧ぐ』
テレビ朝日系にて毎週(土)23時15分~0時5分放送
出演:野村周平、桜井日奈子、宮沢氷魚、佐藤寛太、馬場ふみか、松井愛莉、矢作穂香、岐洲匠、富田健太郎、福本莉子、是永瞳、真飛聖、児嶋一哉、石田ひかり、生瀬勝久ほか
原作:青木琴美『僕の初恋をキミに捧ぐ』(小学館刊)
脚本:尾崎将也
演出:宝来忠昭、藤原知之
音楽:富貴晴美
エグゼクティブプロデューサー:内山聖子(テレビ朝日)
プロデューサー:神田エミイ亜希子(テレビ朝日)、山本喜彦(MMJ)、森一季(MMJ)
制作:テレビ朝日/MMJ
(c)テレビ朝日
公式サイト:https://www.tv-asahi.co.jp/bokukimi/
公式Twitter:@bokukimi2019

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