小栗旬、綾野剛らの海外進出に見る、日本人俳優の持つ可能性
11月初旬、日本映画界にビッグニュースが飛び込んできた。小栗旬が、2020年公開予定のアメリカ映画『ゴジラVSコング(仮題)』でハリウッドデビューすることが決定したのだ。本作はハリウッド版『GODZILLA ゴジラ』(2014)の続編で、レジェンダリー・エンターテインメントと東宝がタッグを組んで企画製作にあたる「モンスター・ヴァース」シリーズの第4弾。役柄は明かされていないが、重要な役どころでの出演になるという。今回の抜擢について小栗は、「ハリウッド映画に出演する事には、もちろん憧れがありました。それだけにそのハードルの高さも強く意識せざるを得ませんでした。しかし、本作の監督やプロデューサー、レジェンダリーの皆さんのこの作品に対する情熱に触れて、そのハードルにチャレンジしたいという大きな意欲が湧いてきました」とコメント。新たな挑戦に向けて意気込みも十分といったところだ。
この小栗のニュースとほぼ時を同じくして、綾野剛が中国映画『破陣子』で単独主演を務めることが発表されたり、女優の山崎紘菜も2020年公開予定の『モンスターハンター』でハリウッドデビューすることが決まるなど、にわかに盛り上がる日本人俳優の海外進出。2018年はほかにも忽那汐里が『デッドプール2』に出演したほか、森崎ウィンが『レディ・プレイヤー1』に、新田真剣佑は『パシフィック・リム:アップライジング』に起用されるなど、世界公開がなされるような大バジェットの作品で多くの日本人俳優が活躍した。よく知られたところでは、渡辺謙や真田広之らが2000年代初頭からハリウッドに拠点を移して活動しているが、彼らに続く人材となるか、今後の動向に注目が集まっている。
日本人の俳優が海外作品に出演する経緯はさまざまだ。地道なオーディンションで役を掴み取る者もあれば、出演作を目にした監督やプロデューサーに見初められることも。小栗の場合は後者で、プロデューサーを務めるアレックス・ガルシアによると、『クローズZERO』シリーズや『銀魂』での仕事ぶりを高く評価して、とのこと。起用以前から注目していたことがわかる。また幼い頃から海外で育ち、俳優の道に進んだマシ・オカや、現地の演技学校で学んだ祐真キキら、キャリアの当初からハリウッドで活躍する日本人もいる。彼らは日本での知名度はそれほどないかもしれないが、海外の映画やドラマでは引く手数多。すでに現地での地位を確立していると言ってもいい。