加藤シゲアキ、異色の金田一耕助となるか 平成最後の『犬神家の一族』への期待

加藤シゲアキ、異色の金田一耕助となるか

 クリスマスイブの12月24日、「平成最後の金田一耕助」と題し、金田一耕助シリーズ不朽の名作『犬神家の一族』がフジテレビで放送される。名だたる名優陣が演じてきた「金田一耕助」を演じるのは、フジテレビ系ゴールデン帯ドラマ初主演となる加藤シゲアキ。加藤はフジテレビ系単発ドラマで主演を務めるのも初となる。

 横溝正史原作の「金田一耕助」シリーズは、日本探偵小説史において金字塔を打ち建てたシリーズであり、日本映像史においても名を馳せる名作だ。人間の心の奥深くを覗き込み、人間の業の深さを感じさせられるような心情描写や激動のストーリー展開に惹き込まれる読者・視聴者も少なくない。そんな横溝作品の中でも史上最高のミステリーとの呼び声高いのが『犬神家の一族』である。

 昭和22年、那須湖畔の本宅で一代で莫大な財産を築いた犬神佐兵衛(里見浩太朗)が他界する。彼の残した遺言書には、遺産の配当や事業相続者が記されているようだったが、長女・松子(黒木瞳)の一人息子・佐清(賀来賢人)が戦地から復員してから遺言書が発表されることになっている。佐兵衛は生涯に渡って正妻を持っていなかった。それぞれ母親の違う娘が3人、みな婿養子をとり、それぞれに息子が1人ずついたのだが、互いに対立し合っていた。

 数カ月後、「犬神家で近々、血みどろの事件が起きるのでそれを防いでほしい」との手紙を受け取った金田一耕助(加藤シゲアキ)が、犬神家の本宅のある那須湖畔を訪れる。ビルマの戦地で顔に大怪我を負い、ゴムマスク姿で佐清が帰ってきたため、金田一は犬神家の遺産相続に立ち会うことになるのだが、そこから犬神家に凄惨な事件が巻き起こる。

 今作の見どころは、何と言っても加藤がいかに「金田一耕助」を演じるかだろう。

 これまで、映画・ドラマ、オリジナルドラマ作品合わせて、歴代で28名もの俳優が金田一耕助を演じてきた。映画では、石坂浩二(第7代)、渥美清(第8代)、西田敏行(第9代)。石坂は1976年に公開された『犬神家の一族』からシリーズ作品に続けて参加している。映画『男はつらいよ』で寅さんを演じた渥美は素朴さを感じさせる金田一耕助を演じた。コメディ作品に数多く出演する西田は温和でチャーミングな金田一耕助を演じている。ドラマでは、ドラマシリーズ出演後、映画作品にも出演することになる古谷一行のほか、はまり役として評価の高かった稲垣吾郎、長谷川博己、ネット上「シュール」「汚なかわいい」と評された池松壮亮などが印象的だ。

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