菅田将暉、ギャップの演技で本領発揮! 弁護士・東の成長も『まんぷく』の見どころに?

『まんぷく』菅田将暉、ギャップの演技で本領発揮

 また東の正義感は決して押し付けがましくない。罰金や追徴課税の工面に対して、東が用意した最善策は「たちばな栄養食品を解散する」というものだった。社員たちとの別れを意味する策に、萬平は怒りをぶつける。そんな萬平に、東は家族がダネイホンに救われた話をする。そして「たちばな栄養食品を解散すれば、不当な追徴課税もなくなり、ダネイホンを守ることもできる」と伝える。しかし東はその策を押し付けようとはしない。最善策を実行するかどうかの最終決定は萬平に託すのだ。

 公式サイトで菅田は「ひとつも気が抜けない環境の中ですが、武力を捨て弁論で戦っていこうとする人たちを少しでも風当たりのよいところへ連れていってあげられるように、微力ながら頑張りたいと思います」と話している。菅田は、彼自身が“東太一”に感じた思いを大切にしながら演じているのではないだろうか。“微力ながら頑張りたい”という思いは、東演じる菅田自身だけでなく、萬平たちを救おうと奮起する東の言葉のようにも感じられる。

 菅田は昨年のNHK大河ドラマ『おんな城主 直虎』でも、カリスマ性とポンコツ性をもった井伊直政を好演。両極端の特徴を持っているからこそ、彼が虎松(幼名)から直政へと成長していく姿がなんとも魅力的に映っていた。本作においても、ファーストカットの頼りない姿から一変、正義感と情熱を内包した弁護士として、福子と萬平の希望の灯火となっている。マイナスな部分も難なく演じきれる菅田だからこそ、“本気”になったときの振れ幅に視聴者は圧倒されてしまうのだろう。福子と萬平の成功物語のサイドストーリーとして、東の成長も見守っていきたい。

■片山香帆
1991年生まれ。東京都在住のライター兼絵描き。映画含む芸術が死ぬほど好き。大学時代は演劇に明け暮れていた。

■放送情報
NHK連続テレビ小説『まんぷく』
10月1日(月)〜2019年3月30日(土)【全151回】
作:福田靖
出演:安藤サクラ、長谷川博己、内田有紀、松下奈緒、要潤、大谷亮平/桐谷健太、片岡愛之助、橋本マナミ、松井玲奈、呉城久美、メイナード・プラント、ブレイズ・プラント、岡崎体育、松坂慶子ほか
語り:芦田愛菜
制作統括:真鍋斎
写真提供=NHK
公式サイト:https://www.nhk.or.jp/mampuku/

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